るるびっち

来るのるるびっちのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
3.2
タイトルを『長い』に変えた方が良い。
真打ち霊媒師の松たか子が本格的に出るまで、一時間半掛かる。
それまでは前座霊媒師なので、当然相手にならない。
負けるの解ってるので、あと何分我慢するのか登場人物以上に絶望的になる。前座は30分で終わらせてくれ。 

そしてコワイというよりウザイ。
これを観ると日本人は皆病んでいるのだから、霊にとり殺されれば却ってラッキーなんじゃないかな?
イヤミスという言葉があったが、これはイヤホラ(良い気分のホラーなんてないが・・・)だ。
そんなに生きるのが辛いなら、殺して貰えば良い。
むしろ親切な霊だ。

日本の古典的な霊と言うのは、本来弱者が現世で残した恨みを霊魂となって復讐するのが多い。
シングルマザーなどの社会的弱者に対して日本社会が無関心で冷たかったり、その果に虐待問題があるのは解る。
それを指摘するのは、大いに意味がある。
しかしそこに的を絞っていると言うより、他人や同調圧力を気にして生き辛い日本社会全体を風刺しているように見える。
だからボヤけている。
霊の正体が、虐待問題に直結してない気がする。
外面の良い奴の表裏なんて、結婚式のダラダラを入れてまで見せる必要ない。ノイズが多くて、霊の怒りが何かピンと『来な』いのだ。
ひとつ言えるのは、日本は負のエネルギーの方が大きいという事だ。
不幸な社会である。
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