はまち

来るのはまちのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
2.5
公開当時、テレビで予告だけを見た。
そこからかなり時間が経って、
「岡田くんが出てるホラー映画」というざっくりすぎる記憶だけの状態で観たわけです。

内容に関しては上手にレビューできなさそうなのですが、
途中で、なんか中島哲也っぽい、
いや、これが中島哲也じゃなかったら誰の映画なんだ?ってなって、
途中でググって確認して、
たまに謎すぎてツッコミ方もわからなくなる瞬間も多々あったわけですが、
まぁこの人の映画ならアリでしょう、
って感じで最後まで(ある意味)楽しく鑑賞できました。

で、とにもかくにも触れておきたい件が2点ほどありまして。

まず、妻夫木くんよ。

前にも妻夫木くんが出ていた何かの映画のレビューで書いた気がするんだけど、
この人、こうゆうちょっとクズっぽい情けない演技がハチャメチャに上手い。
カッコいいのに残念な役すごく上手い。
ちょっとした仕草とか短いセリフのナチュラルさも好きすぎる。
わたし別に役者じゃないから偉そうに言えないけど、
たとえば、「え?」とか「はい」とかそういう短いセリフほど難しいと思う。
ちょっとした顔だけのリアクションとか。
この作品も妻夫木くんの演技見てるだけでかなり楽しめる。

そして、松さんね。
妻夫木くんも松さんもわたしが単に個人的に好きだってことを差し置いても、ほんと上手い。
今作では妻夫木くんの役と違って、
表情がほぼ変わらない、話し方も抑揚のない、
あまり普通ではないキャラなのだけど、
それなのにあんなナチュラルにあの妖しさ出してくるのやっぱりすごいっす。
あの声がいいよね。

唯一、わたしの記憶に残っていたはずの岡田くんの印象が薄かったな。
でもたぶん、けっこう物語の要になる役だったとは思うけど。

内容のことにすこし触れると、
妊娠、出産、子供、とかってけっこうホラー映画のモチーフとしてはよくあるのだけど、
でも妊娠中絶とか虐待とか育児ノイローゼとか社会問題にもフォーカスしていく、
その違和感のようなものがチラチラとあって、
で、ラストはその全部をキレイに一掃するスペクタクルファンタジー!!
ホラーでも社会派でもなく、
この映画は紛れもないSF!!
というところに無理やり落ち着かせられる圧巻の構成!!
独特。
この言葉が一番しっくりくる。
はまち

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