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あの日のオルガンのMKのレビュー・感想・評価

あの日のオルガン(2019年製作の映画)
3.6
ラストにアン・サリーの満月の夕は反則すぎる…泣いてしまった。

阪神淡路大震災にあって作られた曲とは知っていたけど、瓦礫のなかで望まずに奪われた命と遺された人々の虚しさと哀しみは変わらない気がした。

第二次対戦中の東京から未就学児たちを疎開させたという人々のお話。

疎開したばかりに離れ離れで非業の死を遂げた親子、身寄りをなくした孤児が生まれてしまったのかもしれない。

未曾有の世界大戦、情報もなにも今とは比べ物もないほどに乏しい状況下にあって英断をできる人はいたに違いないと思う。

それを後から正しいとか正しくないとかをあまり言い過ぎることは得意ではなくて、誠意や使命に忠実であって、懸命を尽くしたのであればそれを尊重したくなる。

この戦禍にあって53人の活かされた命はその後。どれだけの命を育んどのだろうと考えるとそれだけで十分な気がした。

観て良かった。




風が吹く 港の方から
焼けあとを包むようにおどす風
悲しくて すべてを笑う 乾く冬の夕

時を超え国境線から
幾千里のがれきの町に立つ
この胸の振り子は鳴らす
"今" を刻むため

飼い主をなくした柴犬が
同胞とじゃれながら道をゆく
解き放たれ すべてを笑う 乾く冬の夕

ヤサホーヤ 唄がきこえる
眠らずに朝まで踊る
ヤサホーヤ 焚火を囲む
吐く息の白さが踊る

解き放て いのちで笑え 満月の夕

声のない叫びは煙となり
風に吹かれ空へと舞い上がる
言葉にいったい何の意味がある
乾く冬の夕

ヤサホーヤ 唄がきこえる
眠らずに朝まで踊る
ヤサホーヤ 三線鳴らす
吐く息の白さが踊る

解き放て 生命で笑え 満月の夕

ヤサホーヤ 唄がきこえる
眠らずに朝まで踊る
ヤサホーヤ 焚火を囲む
吐く息の白さが踊る

解き放て 生命で笑え 満月の夕
解き放て いのちで笑え 満月の夕
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