Mizuki

あの日のオルガンのMizukiのネタバレレビュー・内容・結末

あの日のオルガン(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画を観たことで、そもそも戦争下において小学生に満たない世代の子供達への対処が後回しにされていたという事実を知った。
前例のない疎開保育園に携わった保母さんと児童をテーマにしていて、戦争ものなので空襲の描写は避けられず、やはり各所で身の毛のよだつような恐怖と向けどころの分からない怒りや絶望と観客が対峙しなければいけなかった。保母さん達自身も戦時下という状況で追い込まれているのに、子供達にとって何が最善の策なのかをぶつかりながらも一丸となって立ち向かってる姿が日本という戦地に残された女性や子供達の強さが現れていた。
戸田恵梨香演じる楓先生の怒りに何度も背中を叩かれたし、大原櫻子演じるみっちゃん先生の笑顔と歌声にたくさん励まされてほんの少しではあったけど戦時下での幸せもしっかりと感じれた。
平成最後という謳い文句が世の中のそこら中で蔓延っている今日、私たちは昭和に起きた戦争を直接本人達から聞ける最後の世代であってその最後のチャンスである平成が終わろうとしている今私達は出来る限り戦争に目を向け、耳を傾けなければいけないと思う。
文句なしに平成最後に観なければいけない戦争映画だと思った。
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