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あの日のオルガンのピピのレビュー・感想・評価

あの日のオルガン(2019年製作の映画)
4.2
戦時中の厳しい現実を描いた物語なんだけれど、大原櫻子ちゃん演じるみっちゃん先生のドジな明るさが作品を暗くさせずにいました…!

こういう底抜けに明るいドジな子って苦手なんですけれど(多分共感性羞恥ってやつも含む)、こういう作品には、こそは、必要だなと感じました。

何度でも言うけど、暗い題材の映画に笑いをしっかり入れる映画はいい映画です。

『この世界の片隅に』のすずさんにも繋がるかも。


この作品は、戦時中に子どもたちだけでも安全な場所に…と我が子を保母さんに預けて、集団疎開するって話なんですが、まだ小さな子どもを親元から離すなんて、子どもも親も辛く。。

親目線で観たり、先生(保母さん)目線で観たり、子ども目線で観たり、色んな見方ができる作品で深かったです。

私はどうしても年の近い先生目線で観る時間が長かったのですが、戦時中に自分や家族のことよりも、人様から預かった子どもたちの命を守るって想像できなくて…。

私と年の変わらない先生が、親御さんから「子どもも産んだことないくせに」とか言われながら、子どもを守るってどういうことなんだろう。強すぎる…。

ドジだし子どもたちからも逃げるみっちゃん先生だけど、そこがリアルで親近感湧きました。そりゃ逃げたくなるよ!

もちろんそんな中、ずっと気を張ってしっかりしていた楓先生も常人とは思えません。最強です。キャプテン・マーベルです。


平成は戦争がないという面に関してはとても平和だったので、令和も戦争がないことを祈ってます。
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