このレビューはネタバレを含みます
wowowシネマ
『特集:終戦75年目の夏』 8/12放映分
第2次世界大戦末期に実際にあった"疎開保育園"の実話をもとに映画化したヒューマンドラマ。戦火の中、日本で初めて園児の集団疎開を実現させた保育士たちの奮闘を描く。
(wowowより)
この作品、出演者も豪華なのに全く知らなかった。
配給:ジャパン・スローシネマ・ネットワーク(JSN)となっており、地域の公共施設などで自主上映等を勧めている会社でした。
楓先生率いる保育士たちは子供たちを連れて東京の下町の保育園から埼玉へ疎開。
保育士の女性たちの女子っぽい会話とか、子供たちの暴れっぷりとか、現代とさほど変わりなく、とても身近に感じられる。
しかしながら時代も感じさせる面もあって、本当に当時はこんな様子だったのかなと思わせられる。
あまり悲壮感も感じられない。
そんな本当にごく普通の人たちなのに、戦時中を生きなければならなかった。
あの東京大空襲で、子供たちの家族も先生もみんな焼かれてしまう。
東京の家族全員が亡くなってしまったけんちゃんにみっちゃん先生が河原で伝える場面は、なんとも言えない。
板倉楓先生(戸田恵梨香)は世の中に対してずっと怒ってる。野々宮光枝・通称みっちゃん先生(大原櫻子)は子供たちと同じ目線で触れ合う無垢な人物。
全く正反対のふたりも、最後には一緒に泣き崩れ、もらい泣きしてしまった。
1945年3月10日の東京大空襲で
亡くなった10万人の中には
多くの未就学児が含まれていた
保母たちは53人の幼い命を救った
(本編より)
今も当時の保母さんと子供たちの交流は続いているとの事で、エンディングに流れた写真の笑顔が印象的だった。
オルガンを弾きながら歌う大原櫻子さん、歌声が素晴らしい。癒されるひととき。
『家族はつらいよ』シリーズに出演している橋爪さん夏川さん正蔵さんも出ていておやって思ったら、監督の平松恵美子さんは、長年山田洋次監督との共同脚本、助監督を務めてきた方と知りました。日常を描く職人さんでした。