あの日のオルガンの作品情報・感想・評価 - 2ページ目

「あの日のオルガン」に投稿された感想・評価

疎開保育園ダイアリー的。大きなクライマックスを作ってそこに向けて盛り上げるつくりにはなってない。ほほえましい光景も胸苦しいシークエンスも、どこを取ってもいいなと思った。丁寧に作られている気がする。

戦争の悲しさを伝える映画だけど、楓と光枝を中心とした青春群像劇でもあって、ちょっと朝ドラに近いノリも感じた。見やすい。「怒りの乙女」というキャラづけもいい。ちゃんと怒ること、そうして怒っている人を見ることが救いになるときもあるんだなあと思う。

戸田恵梨香さんの出演作はわりと見てきたけど、部屋でひとり遺骨を撫でるときの楓の顔は初めて見た表情だった気がする。この人が演じると、喜怒哀楽が(特に悩みや苦しみが)本当らしく見える。

映画の中身もよかったけど、こういう映画が売れっ子のキャストを迎えて丁寧に作られて2019年に公開されたっていうことも(文化庁の補助金が出ているとはいえ)よかった。なんか安堵するような気持ち。
ShojiIkura

ShojiIkuraの感想・評価

4.1
仕事の関係で30分ほど遅れて観賞。途中、桶川駅が出て来て地元の出来事と知る。子どもに我慢を強いる教育が当たり前だった時代に子どもに寄り添い、遊びながら寝食を共にする「保育」を「健康で文化的な生活」をさせることを目標に行っていたことは、時代背景を考えるとまさにすべてをなげうっての挑戦だと思う。同僚の死、子どもの家族の死を乗り越えすべての子どものを終戦後、家族に引き取ってもらったあとの、「怒りの乙女」の号泣など、心を動かされる場面がたくさんあった。
ピピ

ピピの感想・評価

4.2
戦時中の厳しい現実を描いた物語なんだけれど、大原櫻子ちゃん演じるみっちゃん先生のドジな明るさが作品を暗くさせずにいました…!

こういう底抜けに明るいドジな子って苦手なんですけれど(多分共感性羞恥ってやつも含む)、こういう作品には、こそは、必要だなと感じました。

何度でも言うけど、暗い題材の映画に笑いをしっかり入れる映画はいい映画です。

『この世界の片隅に』のすずさんにも繋がるかも。


この作品は、戦時中に子どもたちだけでも安全な場所に…と我が子を保母さんに預けて、集団疎開するって話なんですが、まだ小さな子どもを親元から離すなんて、子どもも親も辛く。。

親目線で観たり、先生(保母さん)目線で観たり、子ども目線で観たり、色んな見方ができる作品で深かったです。

私はどうしても年の近い先生目線で観る時間が長かったのですが、戦時中に自分や家族のことよりも、人様から預かった子どもたちの命を守るって想像できなくて…。

私と年の変わらない先生が、親御さんから「子どもも産んだことないくせに」とか言われながら、子どもを守るってどういうことなんだろう。強すぎる…。

ドジだし子どもたちからも逃げるみっちゃん先生だけど、そこがリアルで親近感湧きました。そりゃ逃げたくなるよ!

もちろんそんな中、ずっと気を張ってしっかりしていた楓先生も常人とは思えません。最強です。キャプテン・マーベルです。


平成は戦争がないという面に関してはとても平和だったので、令和も戦争がないことを祈ってます。
aymyamya

aymyamyaの感想・評価

4.5
子どもたちの表情、出で立ちが瑞々しくって、つい笑顔になってしまう。
非常時には、子どもが、大人にとって希望であり救いであることがより際立つ。
子どもの命に向き合うことは、翻って大人の命に向き合うことでもあるのだと感じられた。

日常の美しさが大切に描かれることで、対極にある戦争の苦しさがより鮮明に刺さってくる。

戸田恵梨香、演じる役柄の時代や身分、年齢を問わず役にはまるのが観ていて気持ち良い。しかも(戸田恵梨香演じる)というのが違和感なくきちんと残るところも、バランスがすごい。
大原櫻子も、ハラハラを通り越して少しイラっとしてしまうくらいにドンくさい、でもやっぱり天真爛漫で憎めない、かわいいカワイイみっちゃんにぴったりはまっていた。これからがたのしみ。
戦時中を描いた映画は
それなり観てきたけど、一般市民の暮らしが舞台の作品では今作が一番だと思う。

戦争の無情さ、残酷さが痛いほど
伝わってくるのはもちろんだが、
何より心を動かすのはそこで生きてく強さだわ。

グダグダ言ったってこの映画の良さは
伝えられないから、ともかく全世界の人間に観て欲しいです。


あとドラマ“チアダン”を観ていた人は嬉しい共演ですね!
AGO

AGOの感想・評価

4.0
3月3日
新宿ピカデリーにて
この映画を通して
また知らない事実を
知ることができた。
本当に戦争はよくない。
状況を冷静に見極めて、熱い決意と正しい理論のもとに保育園児の集団疎開を決行することに感心しきりに。国では手が届かない問題の背景が効果的で、戦争の悲惨さと同時に、何かと自己責任がまかり通る現代社会の警報に繋がる、さり気なさが良い。

戸田恵梨香の子供の生命を預かる重さや厳しさと、大原櫻子の子供寄りの天真爛漫さの対比が効果的に。特に、空襲が近づいている中で、何気ない日常を演出する役割を担う大原のポジションが秀逸で、過酷な環境下でも文化的生活の大切さが心の豊かさに繋がることが良い。戦時中の生活のイメージと真逆的な普遍的な日常のテイストにより、様々なことが際立つことにも。

兵役への召集令状である、赤紙の恐怖も想像で膨らませることや、色を無くした背景などの演出も冴える。しかし、重圧から解放された重要なシーンを全てセリフ説明することや、全体的な映像の質やトーンやテンポがドラマ的なことが惜しい。

子供の命を守ることは当然だが、それだけでなく笑顔を守ることの重要性が胸に深く突き刺さる。
みちる

みちるの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

東京大空襲のあと、疎開保育園に戻って話をするところは本当に難しいと思ったけど、戸田恵梨香がすごかった。
実話のお話をこうやって映画で知ることができてよかった。
戦争が奪ったものがよくわかったし、
それでも子どもたちは子どもで無邪気で可愛いくて、感動した。
柊

柊の感想・評価

3.7
悪くはないけど、戦争を扱った物としては普通。物凄く感動して泣けたわけではない。って言うか生き残った子ども達のこれからの方が大変さぁって思うから。
あの時代命を懸けて未就学児を救った保母がいたことには素直に感動する。わが事で精一杯な時代に人様の子を預かり守ろうとし、文化的な生活を!と謳う施設があった事に驚く。

原作はもっと混迷を極めたのではないかと思うけど、映画だからかなり楽しい部分、子ども達の無垢な心がクローズアップされていたと思う。
その1番の成果はひとえに子ども達のキャスティングでしょう。まぁよくもこれだけ昭和顔のオカッパとイガグリ頭が似合う子どもを集めたなと、それでこの作品は八割型成功でしょう。

大人パートは若干棒読みな人が気になるが、多分製作費少ないであろうこの作品に逆にこんなメジャーな俳優さんよく集まったと思う。
きなこ

きなこの感想・評価

4.2
近くの映画館でやっていたのに見逃してしまい、アップリンク吉祥寺へ。
カラフルな座席に座りながら、同じ列の人もれなく、みんなすすり泣いていました。どうしたって泣いちゃうやつですよ。

戦争の映画でありながら、微笑ましい描写もたくさんありました。
戦争の中に、人々の暮らしが確かにあったこと、普通の人たちの普通の生活に降りかかった悲劇だったということを、改めて噛み締めた。普通の暮らしの中にあるお別れが、もしかしたら本当に最後のお別れになるかもしれない重み。
保母さんたちももちろん人間なので、完璧ではないわけで。重圧、責任を想像したら不安で仕方なかった。だから、田中がいなくなる時も、最後の戸田恵梨香の姿にも、涙腺が崩壊しました。

親子のシーンは辛くって、ニコラスウィントンのドキュメンタリーを思い出したなあ。
あと、この世界の片隅に、を。

戸田恵梨香と大原櫻子、組み合わせがとても良かったように思います。どちらも違う方向に強くて、どちらが欠けても周りはキツイだろうなあ。
大原櫻子が綺麗に歌い上げたら嫌だなーと思ったシーン、その心配皆無でした、良かったです。

2019-38