ぶんず

半世界のぶんずのレビュー・感想・評価

半世界(2018年製作の映画)
4.6
穏やかな光。美しい日本の原風景。樹木の騒めき。炭の焼ける音。夜の静寂。波の音。雨の打ち付ける音。小さな田舎町。世界の片隅。自分が知る限りの小さな世界。人生は時に残酷なもの。それでも時は止まらない。自分の意思で受け入れ前を向き進んでいくしかない。それぞれがその時を精一杯、懸命に生き続いていく人生。人の絆と温もりに希望を感じ涙。

まるで心の奥が炭火で温められじんわりと熱くなっていくよう。そんな鑑賞後の余韻が深く続いてく傑作。何度も味わいたい作品。

男同士の友情。父と息子の関係性。夫婦の絆。とても丁寧に描かれてる気がした。悔しいかなやはり女の私にはなかなか共感しにくい部分もあったが、きっと父息子あるあるが詰まってるんだろな…。

あと、劇中で主人公が奏でる炭の音色がとても清らか心地よく、思わず耳を澄ませたくなって目を閉じかけたのだが、あ!これは映画だから目を閉じてはいけない!!と気がついた瞬間があった(笑)それくらい映画の中の様々な音がとても響いてくる作品でもあった。

リアルな日常のストーリー描写に時折入る抽象的な場面も好き。
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