試写会にて。
伊勢志摩の山あいで備長炭を作り続ける主人公の元に、元自衛隊の旧友が帰ってきた。訳ありの旧友、いじめにあっている息子、うまくいかない仕事…39年生きてきた、彼に待ち受けるものとは。
山でひたすら炭を作るという朴訥さと、ところどころやり取りにおかしみがありクスッと笑えるところもあり、どこかほのぼのとした内容だが、時折入るバイオレンスな描写とのギャップがある。
また冒頭の描写で「きっとそうなるんだろうな」という予想が当たってしまい、驚きはなかったものの、そのラストはあまりにもいささか物語のテーマを描くには乱暴ではないだろうか。
そもそもテーマがうすぼんやりとしているので、鑑賞後の感覚もぼんやりと雲をつかむような感覚だった。
途中までの同級生3人のやり取りの小気味よさは良かったが、最後はどこか絵空事のままで終わってしまったのが残念。