PORK

半世界のPORKのレビュー・感想・評価

半世界(2018年製作の映画)
3.9
久々の池脇千鶴を堪能。頼む・・・死ぬまでに一度だけでいいから、「ママ」と呼ばせてくれ。頼む・・・。そしてそういう映画では全くない良い映画。申し訳ないくらい感動しました。

仕事を辞めて地元へ戻ってきた長谷川博己。同級生と馬鹿騒ぎしても、悲運な目に遭ったことを誰も奥底では理解していないということに気づいてしまう。仲が良かった3バカトリオでさえも、長谷川博己の世界に踏み込めないと気づいて「海の」世界へ戻ってしまう。
マジで辛いよね。あのくらいの年齢になると、もう血が凍るような寂寥感に殺されそうになってしまうのかね。稲垣吾郎がなんとか世界が違ってもコンタクトをとろうとしても正直キツいね。ただそこに縋って生きていくしかないんですよね。その様を最初と最後で見事にサンドしてくれた監督の優しさたるや。合唱です。

個人的に一番心が苦しくなるのは千鶴ママがアキラの友達こと社会のダニどもにチャーハンを振舞わなきゃいけないところ。忌み嫌うものに、手料理を与えるって僕の生理レベルの結構高いところを侵害してる。

あとはアキラくん関係で良いところの間に惜しいところが何点か。一番気になったのはラストでアキラくんの髪がちょっとオラ入ってるところ。いやいやそれはそれで反動すぎますよ。
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