水辺の君に

半世界の水辺の君にのレビュー・感想・評価

半世界(2018年製作の映画)
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まさに吾郎ちゃんのパブリックイメージに無い役で、それが今出来るっていうのはホント退所したことを活かしてチャレンジしてますよね。慎吾ちゃんの「凪待ち」もですけど。
で吾郎ちゃんは真逆のキャラを演じたわけですが、土臭い炭焼き職人ってだけじゃなくどこか自分自身への欲というか関心が無くて、ただただ仕事をして日々生活することにしか関心が無い人間を演じてるっていう新鮮味もあって。でもちゃんと葛藤はあって。それが彼にとっての世間ではなく世界であり、一般的(定義によるけど)な世界とはまた異なる人生なんですよね。それをちゃんと演じててよかったです。
我が長谷川博己のトラウマからの無双モードもよかったしKEEのイメージ通りのキャラを演じ切るのもよかったし、やはり全体的にキャスティングの良さもありました。

社会との関わり方としての世間ではない半世界と、人生の岐路というか一生の折り返し地点まで来てるって意味での半世界ってのもあった気がしますね。今までとこれからをどうすればいいのか?とはわかっててもどうにも出来ない現実。
それに絶望してるわけでもないので無駄にペシミスティックな要素が強く出ずにこの作品のカラーとしてこういう感じになってるんだろうなーって。ラストのこと考えると、突然何が起こるかわからないし、全てを予測して備えてるわけでもなく日々をただ生きてるだけっていうのが人生であるっていう。それが人の一生という意味では世界とはまさに人それぞれの半世界の集合体でありそれが世界なんではないでしょうか。
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