父、帰るの作品情報・感想・評価

「父、帰る」に投稿された感想・評価

僕の名はイワン(愛称ワーニャ)、ロシアの12歳の少年。僕の家にはパパがいない。兄のアンドレイ、ママ、おばあちゃんの4人暮らし。ママがとても優しいから、パパはいなくてもいい。
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夏休みのある日曜日、遊びから戻ると見知らぬ男が家にいた。12年ぶりに帰ってきたパパだ。がっしりした体格、ひげ面で口数の少ない男だ。ママもおばあちゃんも黙ったまま、この男がどこで何をしていたのか、そして何故今頃戻ってきたのか、誰も教えてくれない。
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“父”は僕たち兄弟を連れて明日からキャンプに行くと言った。“父”の車で旅行だ。
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一日中車で移動した後、火曜の午前、途中の小さな町に立ち寄った。公衆電話で“父”は何度も誰かに電話した。食事できる店を探すよう言ったのに、町を回った兄は寄り道してなかなか戻ってこなかったので、“父”は不機嫌になった。怒った“父”は怖かった。食事の後、勘定をして店から出た僕たちは、不良に絡まれて父の財布を奪われてしまった。“父”はその不良を探しだし捕まえて戻ってきた。そして、僕たちに、こいつを殴れ、仕返ししろと命令した。できないと答えると、根性なしめ!と言った。 “父”は強くて頼もしくもあるのだが、凄味があって怖い。
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「急に用事ができた。帰りのバス代をやるから家に帰れ」と突然“父”は言いだした。なんて勝手なんだ。「次の機会は12年後か」と毒づいたら、一緒に行けることになった。他の場所に行って3日間“父”が仕事をしたら、その後で釣りとキャンプだという。
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小さな港町に立ち寄って“父”は袋に入った何か大きなものを調達した。一体何だろう? その日は森の湖畔で釣りを楽しんでテントで寝た。父と僕たちは別々のテント。夜、テントの中で僕たちは“父”が何者なのか想像して話し込んだ。アンドレイはそうでもないようだが、僕は“父”が好きになれない。納得できる説明もせず有無を言わせず僕たちを従わせる。怪しいことをする不審人物かもしれない、僕たちは殺されるんじゃないか?
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水曜日は早朝に出発。僕は釣りをもっとしたいとごねたら、父は機嫌をそこねたか、途中の小川にかかる橋の上で車から下ろされた。ここで釣りをしていろと言い捨てて、僕を置き去りにして行ってしまった。人っこ一人いない野原に取り残された僕は途方に暮れた。帰って来てくれるはずだ、でも、戻ってこなかったら…? 雨が降り出してずぶ濡れになったが、そのまま橋にもたれて座ってただ待ち続けた…。 どれだけ待っただろう、“父”の車が戻ってきた。車に乗るとずぶ濡れの服を着替えろと命じられた。僕は心がかき乱れていた。「12年もほっといてなぜ今頃帰ってきたんだ!」と泣き叫んだが、父は黙ったままだった。
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目的地の湖に着いた時、空は快晴になっていた。そこからはるか沖合の無人島にいくのだという。岸に捨ててあった古いボートの船底にタールを塗り、調達したモーターを取り付けて快調に進んでいたのだが、途中でモーターが故障してしまってからは、僕たちはボートを漕がされる破目になった。クタクタになって島についた時は夜も更けていた。
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島には結局2日いただけだ。僕たちが釣りをしている間、父は島のどこで何の仕事をしていたのか分からない。その後の島での出来事について、僕は決して人には話さない。これは僕たちだけの秘密だ。だけど、はっきり言えることは、この1週間のことを僕たちは決して忘れることはないということ、そしてこの1週間の旅で、僕たちは大人になったということだ。
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…と書くと、「スタンド・バイ・ミー」のようなノスタルジックな雰囲気が出てきますが、映画は全く違う印象です。テイストは大分違いますが「フライド・グリーン・トマト」を思い出させる、かなり引っかかって心に残るお話でした。作品の制作年から逆算するとワーニャはソビエト崩壊の年1991に生まれた少年。この父親のキャラクターはソビエト時代の父親像の典型なのでしょうか。エピソードもほとんど回収されず謎は謎のままで終わります。秘密のベールで被われたソビエト時代そのものといった印象です。それでも人が全くいない広大で静かな湖水風景はとても美しい。フィンランド国境近くのラドガ湖という湖です。
たけ

たけの感想・評価

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悪くない
yahhotaka

yahhotakaの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

先の見えない展開、静かに、美しく、しかも重苦しく、冬でも無いのにどこか冷たい空気感漂う映画でした。

無くなった父を乗せたボートが沈むときの、アンドレイ、イワンの「パパ!」と叫ぶ時に初めて二人は自分たちの父として認めたのかな?

なぜ、父が12年も家を空けていたのか?
なぜ、急に二人の息子と旅へ出ると言い出したのか?
無人島で懸命に土中から掘り出した小さな箱は?
この、寡黙さは?
謎だらけの父は最後まで謎のまま。
観る者に委ねる映画。

とうとう父に対して怒りをあらわにしたイワンを展望台まで追いかけるシーンで、コレまでと違ってなぜ父は必死で追いかけたのか?
落ちる寸前に言いかけた言葉「イワン、お前は、」の後、何を言いたかったのか?
観る人の解釈に委ねる映画なのですね。
なんとも重い映画でした。
重苦しいけど全編を通して引き込まれる作品。兄弟は可愛い。特に不機嫌な弟。ロシア映画を観てよかった。
題名だけ見て、
え、菊池寛の父帰るなの??
かと思ったら設定が似ているけど
内容は違った。


お父さんが全然見えてこなかった。
なんで10年も家を空けていたのか、説明が欲しかったかなと思う。

でも物寂しい風景は、
この映画のイメージに合ってる。
skgc

skgcの感想・評価

3.5
ぜんっぜん分からん不穏な展開な上に、最終的な衝撃にやんわりやられる。
独特の空気感があるね。
そんなわけないやろと思いながらも、いややっぱそうなのかな?と悩まされ、ラストでは子どもたちの心境を想像して辛くなる。
どっちも不器用だったし、行き違っちゃったね。一番不憫なのは誰だったのかなー
吉備

吉備の感想・評価

3.1

このレビューはネタバレを含みます

ラストは父息子で幸せなハグをして終了...じゃないんかい(驚)
ロードムービー感あったのでまさかあんな驚愕のオチが用意されているとは思わなかった。親離れという成長過程のメタファー的シーンだったのだろうか。男にしかわからない世界ってやつか?
SAYACANDY

SAYACANDYの感想・評価

4.0
父親が10年以上ぶりに帰ってくる。
説明が一切ない。
暗い雰囲気がすき。
ラストが え? ってかんじ。
後味悪い、重い映画に目覚めたのはこの映画がきっかけ。
nao42

nao42の感想・評価

2.4

ロシアの美しい自然が、映画の暗くて重い雰囲気にすごく合っていました。

でも、父親の目的や意図が自分には読み取ることができませんでした。
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