垂直落下式サミング

座頭市 THE LASTの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

座頭市 THE LAST(2010年製作の映画)
2.1
特別ファンでもないのにけっこう観てる坂本順治監督の座頭市完結編。今回主演の座頭市を演じるのはSMAP香取慎吾。彼の風貌とかそんなに悪くないと思うんだけど、演技とアクションが…。
座頭市がその無頼漢性を発揮するのは、常に悪人やバカに対してだ。いつもの慎吾ちゃんの調子のアウトロー演技で「あっしは人殺しでさー(棒)」じゃダメだよ。善良な人に対しては常に低姿勢な態度を貫き「ええ…あっしはァ(間)人殺しでさァ…」って、汚れた身の自分ではありますが恥ずかしながらお天道さんの下を歩いておりやす感を出しながら言わなきゃでしょう。
アクションなんかも全然だめで、目が見えないはずなのに相手と正体しちゃってるし、敵を斬り捨てた後フラフラしすぎだし、やたら「おりゃあー!やああっー!」と仕込み刀を振り回して叫びながら戦うのも嫌。なまかすぎる。
日本の平成ゴジラシリーズが、今までのすべてをリセットし、カンフーと熱血を取り入れることで完成した怪作『ゴジラFINAL WARS』で幕を下ろしたことを考えると、THE LASTと銘打たれたこの作品がこうなるのも自然なことなのかもしれないが、中途半端に無難に作ろうとしているので、そこがつまらなく感じてしまう。長く続いたシリーズのリブートなんてそんなもんだろうけど、本作には座頭市を現代に語り直すことへの明確な勝算は無いようだった。10年後くらいにまた誰かが『シン・座頭市』作りゃいんじゃねーの。
物語なんてものは創造主の手を離れてこそだ。