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芳華-Youth-のmiiのレビュー・感想・評価

芳華-Youth-(2017年製作の映画)
3.8
中国語の名前に馴染みがないので
名前と顔を一致させるのに 時間がかかったわ。

時は1970年代の文化大革命時代。
文工団(歌劇団)に所属する若者たちが
華やかな歌と踊りのレッスンに勤しむ。
激動の時代の最中であっても
誰しもが経験したであろう 青春を
みずみずしくエモーショナルに描かれている群像劇。

テレサ・テンの歌に 甚く感動する様は
当時は 娯楽などもなかったのかもしれませんね。
毛沢東の思想一筋で教育されてきたのだろうと察します。

毛沢東の死により物語は一転。
中越戦争の描写は かなり生々しく
時代の変革に揉まれていく彼らは
仲間たちと育んできた文工団が あっけなく解散となってしまいます。

望んで入団したシャオピンが希望した夢を捨てて 後に心が病んでしまったり
模範兵であったリウ・フォンの人生の挫折もあり
後半は 文工団のその後
裕福な家庭の子供たちとのギャップも描かれている。

後に作家となったシャオ・スイツの視点で語られる本作は
純粋さや善良である事が報われずに
取り残されたような2人を嘆くかのような印象を受けました。

シャオピンが月明かりの下で踊る姿は 美しかった。
当時いじめられてはいたけれど 思い出したあの踊りは
彼女の青春時代そのものだったのでしょうね。

本作を観て あんな時代もあったのよ···と
若きあの時を懐かしんで 微笑む方がいらっしゃるだろうな···
そんな事を想像させる
「青春の芳しき華」と歌うエンドロールが
たまらなくノスタルジックでした。
mii

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