フクイヒロシ

物ブツ交換のフクイヒロシのレビュー・感想・評価

物ブツ交換(2018年製作の映画)
3.5
23分のドキュメンタリー。

場所は
ジョージア(グルジアと呼ばれていた)。

辺境の地へ日用品の行商をする男。

通貨(ラリ)もあるが
この男はすべてジャガイモでやりとりをする。


1ラリで売ってくれよ、とお婆さんに懇願されても
「いや、ジャガイモ五キロだ」と言って絶対折れない。

このお婆さんがジャガイモ五キロを家から運んでこれると思えない。。。
お婆さんは悲しそうな顔。。

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男は仕入れた日用品を辺境の地を回って
すべてジャガイモに変える。

で、町でジャガイモを金に変える。


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地球そのままのような地平線と空。

うんざりするほど何もない村と
延々と続くジャガイモ畑。

世界の終わりのような場所で
子供たちは
行商の男が吹くシャボン玉にはしゃいでいる。

あの子供たち、一ヶ月くらい夢に出てきそうなほどシャボン玉に喜んでたなぁ。。


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とにかく絵はずっと美しい。
美しい絵を撮ろうとという意識を強く感じるし、その美しさは伝わる。

生活の苦しさも
夢のなさも伝わる。

23分。

ハッキリ言って物足りない。

でももしかしたら
もっと長かったら苦しくて見ていられないのかも。。

生きる苦しさを見せつけられて。


でもそれは我々も全然変わらない。


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家にいろ、外に出るな
仕事減っても騒ぐなと言われながら
国のトップが優雅にソファに座って犬を撫でる動画を見せられる。。。

世界の終わり。

終わりの景色を見ている。