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ここは退屈迎えに来てのsのレビュー・感想・評価

ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)
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山内マリコの小説で一番好きな「ここは退屈迎えに来て」。映画にすることで良かった点はプールのとこくらい。

好きな人と一緒にいる。好きな人が“私”と、“あたし”と、一緒にいてくれてる。だから同じ気持ちでいてくれてる。

という、幻想の話。

高校生はいつだって退屈だった。音楽も映画も好きなものも合わなかったから向かう先は河原しかなかった。夜中に家を抜け出して自転車で駆ける夜は永遠に続くと思っていたし小説と映画とipodと退屈を吐き出す煙草があればそれでよかった。ここは退屈迎えに来てと願ったあの日、現れた人は椎名だったけれど、椎名にとっては彼氏でも何でもない遠藤だった。分かってたけど正直どうでもよかったのかもしれない。

「でも、そう見えたならなんかよかった。少なくとも進歩くんの中では椎名くんの彼女として存在してるってことだもんね」
「そう見えただけなんだけど」
「そう見てて」
橋本愛と渡辺大知のプールでのやりとり。青い空、プール、夏、切り返しの二人の表情。
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