クマヒロ

ここは退屈迎えに来てのクマヒロのレビュー・感想・評価

ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)
4.0
初めて廣木隆一監督作品を観ました。キラキラ映画ばかり撮っているイメージとは裏腹に長回しや遠くから写すカメラがあったり、分かりやすい演出が少ないことがとても意外で、ずっと興味深く鑑賞していました。

しかもそれでいてキャストの豊かな面を引き出していて、特に成田凌さんの遠くから見ても分かる年月の変化には驚きました。
キャストの表情を長回しでどう捉えるかも工夫されていて、門脇麦さんの引きの長回しは特に見入ってしまいました。

作品の中身も新鮮で、東京を描く作品や地方都市を描く作品はそれぞれでよく観ますが、その地域同士の関係性を描いていることが良かったです。また、東京自体が映るわけではないのにその空気感や、地方都市から見た東京の輪郭が掴め、地方から東京に来た私にとってもしっかりヒリヒリと考えさせられるようになっていました。

上記のように想像を膨らませる作品であるのに、キラキラ映画まで達者にこなしてしまう廣木隆一監督はどんな作品でも撮れてしまうのかもしれないと思いました。
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