みーちゃん

ヘレディタリー/継承のみーちゃんのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
5.0
ホラーにも色々な種類があるのだと思うが、先入観が邪魔して避けてた。観てよかった。とてもおもしろかった。好き。

私には悪魔拝礼やペイモン万歳!などの解釈は、興味深いけれど、さほど重要ではなく、オカルトをモチーフにした毒親との確執&解放の物語に思えた。祖母も、母も、見守るだけの父も(ガブリエル・バーンが良い)、その前も、この後も。

なぜ解放かと言うと、不思議なほど鑑賞後に重苦しさというものが無い。むしろホッとしたというか、肩の荷が降りたというか、もう抵抗しなくていいというか…。とにかく、この映画で気持ちが楽になるなんて、自分でも驚いた。

その理由を考えると、それぞれの愛と苦しみ、苦しみと愛を、嫌というほど見せられて昇華したからだと思う。もし逃げたいのなら、あの家から出ていけばいい。物理的には縛られていないのだから。でも、なぜかその選択肢はない。もしくは離れられないのかもしれない。…分かる気がする。

それならそれで、受け入れた者のステージが、主体的に存在するのだ。深い。