紅梅シュプレヒコール

ヘレディタリー/継承の紅梅シュプレヒコールのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.0
噂だけは聞いていましたが、遂に観てみました

方々で怖過ぎるなどと喧伝されていたので、どんなものかと身構えて観てみました

個人的には周囲が騒ぐほどの恐怖は感じませんでしたが、全体的に興味深く楽しめる作品でした

冒頭から不穏な雰囲気が漂い、気持ちの良い終わり方はしないだろうなと予感させられます

大味な演出が多いアメリカン・ホラーと変わり、ジワジワと首を絞めていくような湿った作品で、終始気を抜くことができません

私は“理不尽な力”というものが兎に角怖いと感じるので、“どうしようもない何か”に逃げ道を塞がれていく展開は恐かったです

何より今作が鑑賞者に与える恐怖心を最大化するファクターとして作用していたのは役者陣の演技だったと思います

基本的に登場人物はグラハム一家の母親アニー、父親スティーヴン、長男ピーター、長女チャーリーの4人だけです

父親、長男は鑑賞者に1番近い人物なので感情移入がし易く、かなり重要な役割を担っています

母親と長女は鑑賞者には掴めない人物で、その不確定さが不安を煽ってきます

母親を演じたトニ・コレットの迫真の演技は勿論ながら、長女を演じたミリー・シャピロの不気味さはピカイチでした

今作を観ていて、どこか前に似たような作品を最近観たなと思っていたのですが、ロバート・エガース監督の「ウィッチ」だ!と思い出しました

今作を観て、似た雰囲気の作品をお探しの方は是非「ウィッチ」も観てみて下さい