kanaco

ヘレディタリー/継承のkanacoのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.0
アリ・アスター監督の長編デビュー作。登場人物にストレスを与え続けることで恐怖が増幅していく不気味なホラー。初見時、私はストーリー展開の予測ができなかった。2回目見たところ伏線多め。蟻の出てくるショッキングシーンは目に焼き付いて離れない。俳優さんたちのホラー演技、特に顔芸がスゴイ!(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

ミッドサマーで話題になったアリ・アスター監督の長編デビュー作。3年くらい前に1回鑑賞済なのだが、怖すぎて見返す気にならなかった。でも夏だしちょっと激しいのを見たいなと思って再鑑賞。

私は個人はけっこう、評価が3~3.5くらいになりがちな、大作ではないけど規模感がちょうどよくて印象を引きずらない、サクっとしたホラー映画が疲れなくて好きなのだが、ヘレディタリー継承はそれらと反対。怖いし緊張感が続くし気分が滅入るので、鑑賞し終わった後とても疲れてしまう、そんなホラー作品。でも、時々こういうのも接種したくなる…😏

物語の中心となるのはグラハム家。祖母、夫、妻、兄(息子)、妹(娘)。長年疎遠であった祖母が他界し葬儀を行う。家族は悲しみに包まれながらも前を向いていこうとするが、祖母に懐いていた妹(娘)の様子がおかしい。また、妻は自分の母(=祖母)や父、兄が障害や精神疾患で死んでおり、先天性の精神疾患が自分や子供たちあるのではないかと心配し、カウンセリングに通い始める。そんなある日、悲劇の事故が起き…。みたいな話。

蟻が印象的な作品は「マーベルのアントマン」か「ディズニーのバグズライフ」かこの「ヘレディタリー継承」かの三択。蟻の出てくる問題のシーンのショッキングさは目に焼き付くし、初見時は、三日間くらい寝るとき瞼を閉じたらこの条件が浮かぶという…(泣)

ここぞという時にゴア表現は出すものの、基本的には静かな残虐さ、不気味な雰囲気や行為、不快に感じる印象的な音、崩壊していく家庭模様の畳みかけでストーリーを引っ張っていく。ジャンプスケア(ちょっとはある)や個性的な異形、激しい血飛沫、生々しい断面などがなくても、怖いホラーは作れるんだぞ☆と言わんばかり。

とにかく登場人物にストレスを与え続ける作品。それは火だるまのように膨れ上がり、取り返しのつかないことなる。すごく沈む。「最悪」が起きても、もっと大きな「最悪」が起きますよ、いやまだまだもっと大きい「最悪」もありますよ!みたいに底なし沼の如く展開される。オバケも怖いが人間も怖い。

初見時、私はストーリーの展開の予測ができなかった。また、俳優さんたちのホラー演技、特に顔芸が凄くて印象的。映画館で見なくて良かった!大画面で完全に没頭した状態での鑑賞だったらたぶん無理だった。私にとってはPC鑑賞だから楽しめる距離感だった😁

笑えるのはやっと最後15分くらい。終盤の超常現象はパワーが強すぎて反対に笑ってしまう。怖さが突き抜けて、「何でだよ、そして誰だよ、怖すぎるわ!」って笑ってしまった。そりゃ高校生(くらい?)の兄君(息子)も泣くよ!