ちき

ヘレディタリー/継承のちきのネタバレレビュー・内容・結末

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

個人的海外ホラーの最高傑作。

まさに地獄の二時間という感じ。
意外と昼間のシーンが多いのですが、その間ですら不穏さが漂い続け、息が詰まります。

アリ・アスター作品は映像が美しく綺麗に整形されているが故に、どこか不自然さを感じるんですよね…

今作はその結実となっている作品だと私は感じています。

また、冒頭から綿密に張り巡らされた伏線。
この伏線が回収されたときに知るこの作品の邪悪さは、他作を寄せ付けない物があります。
今回は2回目の観賞だったのですが、あまりの緻密さに感服いたしました…

自身の家族を使った儀式。
人の心を操り、その生活を蹂躙する様は邪悪以外の何物でも無かったですね…

アニーは何も悪くないが、自分の母親の一部を受け継いでしまったのか。
知らず知らずの内に家族を巻き込み崩壊させてしまうというのはあまりに悲しく、そして抗えない物も感じました。

本作はどちらかというとカルト映画に近いですが、ホラーとして観ても素晴らしい。
暗闇に佇む人影が目が慣れてくると同時に徐々に見えてくる演出や、終盤のアニーの暴走は超怖いです。
自分の首を糸鋸で……のシーンは鳥肌ものですね……

今作を見た後はしばらく舌をならすコッていう音に敏感になります。

映画における全ての要素で私達を怖がらせ不快な思いにさせる、最高のホラーです。
ちき

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