渡邉ホマレ

ヘレディタリー/継承の渡邉ホマレのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.9
一度見終わってしまえば物語は至ってシンプル。
映像のスタイルもPOVなど、所謂斬新さを狙ったものではなく、あくまでオーソドックス。

しかし本作には、他のホラー作品とは一線を画す怖さがある。それはもう、底無しの。

本作を十全に味わうためには、映画を十全に味わうために当然ともいうべき条件が2つある。
1.できる限り情報を遮断した上で鑑賞すること。
2.映画館で鑑賞すること。

1.の理由は言わずもがなだけれど、2.は特に重要だ。映画館ならではの音響とスクリーンのサイズ、そして「闇の深さ」。本作の禍々しさの多くを占める要素が、ここに集約されている。

なのでソフト化された後にテレビ画面やタブレット、スマホの画面で本作を観賞し、「面白い」「つまらない」と述べる事はあまり意味のある行為だとは思えない。

映画館へ行こう。