一度見終わってしまえば物語は至ってシンプル。
映像のスタイルもPOVなど、所謂斬新さを狙ったものではなく、あくまでオーソドックス。
しかし本作には、他のホラー作品とは一線を画す怖さがある。それはもう、底無しの。
本作を十全に味わうためには、映画を十全に味わうために当然ともいうべき条件が2つある。
1.できる限り情報を遮断した上で鑑賞すること。
2.映画館で鑑賞すること。
1.の理由は言わずもがなだけれど、2.は特に重要だ。映画館ならではの音響とスクリーンのサイズ、そして「闇の深さ」。本作の禍々しさの多くを占める要素が、ここに集約されている。
なのでソフト化された後にテレビ画面やタブレット、スマホの画面で本作を観賞し、「面白い」「つまらない」と述べる事はあまり意味のある行為だとは思えない。
映画館へ行こう。