ニシカ

へレディタリー/継承のニシカのレビュー・感想・評価

へレディタリー/継承(2018年製作の映画)
3.6

“違和感と不可解の先にある錯乱"

 
“コッ”
 
        “コッ”
 
 
 
“コッ”
 
 
“コッ”
 
 
 
 ◇

祖母エレンがなくなったグラハム家。過去のある出来事により母に対して距離を置き、愛憎交じりの感情を持っていた娘アニーは、夫、2人の子どもたちとともに淡々と葬儀を執り行った。そして謎が多かった祖母が亡くなると同時にグラハム家に奇妙な出来事が頻発していく。祖母の遺品からは「これからあなたたちに恐ろしいことが起こるけれど、必ず素晴らしい見返りがあるから」というメモ。掘り起こされた墓場。身内の悲劇が重なりはじめ、最悪な事態に陥った一家は身も心も崩壊へと突き進む。。
 
 
◇製作は、

映画界に旋風を巻き起こし中のインディペンデント系スタジオ「A24」の製作。10月、11月で『アンダー・ザ・シルバーレイク』『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』『イット・カムズ・アット・ナイト』などから本作『へレディタリー/継承』という公開連発の暴れっぷり。おいおい、スゲーな!普通の映画作れねーんじゃねーかっと思ってしまうぐらい良くも悪くも斜め上を行く作品だらけです。でっかいホームラン級の映画を製作するより、ド級のスピードでぶちかますピッチャー返しのようなピンポイントで特定のセグメント層に突き刺さるような作品を製作しているイメージですね。たぶん映画好きに向けてだと思います。まぁ素敵。
 
監督・脚本を務めたのは、本作にて長編映画監督デビュー作となるアリ・アスター。なんちゅう物語を思いつくんだと、観てる最中に思いましたが、賛否両論含め波風立って盛り上がっていることからも、シーンを騒がさせれるということは才能ある監督ということです。

母親役アリーは『シックス・センス』『リトル・ミス・サンシャイン』のトニ・コレット。なんでしょう、オスカーにノミネートぐらいはされて欲しいレベルの顔力。とはいえノミネートはされないでしょうが、今作でかなり爪痕を残した感がありますね。

13歳の娘役チャーリーにミリー・シャピロ。
長編映画初出演らしく、ブロードウェイの舞台で主演も経験しているみたいです。ホラー作品の"なにかがちょっとおかしい少女"というミューズとしてハマり役ですね。終始、唇の形になんとも言えない不穏感を感じさせてくれました。

ドラックにはまる高校生の長男ピーター役にアレックス・ウルフ。「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」演じた気弱なゲーム好き高校生が記憶に新しいですよね。



◇観終わって、

公開日であった金曜日と翌土曜日のTwitterのタイムラインには本作の話題がどんどん流れてくる。中には"モダンホラーの傑作"や“全神経を”防御“に集約してしまうほどの恐怖と破壊の権化”という早く観たい欲を猛烈に刺激する話題のツイートまで出てくるもんだから、同じ公開日のくるみ割り人形を金曜日・翌土曜日も連続で観てる場合ではなかった!(なぜ2回観たかはくるみ割り人形のレビューに書きます)と急ぎ日曜日のレイトショーで観てきました。
 
結果、ハードルを上げすぎました。。
夜道を家路に着くのも怖くなる、部屋の片隅が気になるみたいなことにはならなかったという感じです。
 
いや、普通に楽しめましたよ!というか、かなり物語や伏線について考察したくなるしリピートして再確認したくなる仕上がりです。(点数が高くないのは自身がMAXのハードル上げで観に行ってしまった、、からですね。。)
 
 
緻密な情景に周到な脚本、伏線を散りばめた細やかな演出で、精神的・生理的な恐怖を映像表現するホラー作品であり、前半の家族喪失による精神崩壊型と後半の悪魔崇拝によるオカルト型なホラーを1つの物語に内包させている怪作。
 
棺に納まる祖母エレンの首に掛かるぺイモンのペンダント。娘アリーは葬儀に集まった見たこともない生前の祖母のたくさん集まった友人達の前であいさつをしていますが、そのアリーの首にはこの時点でぺイモンのペンダントが。。白人夫婦の間に生まれたアラブ系にしか見えない長男ピーター。。胸の膨らみが13歳らしからぬ妹チャーリー。。
悪魔を光で表現するなど、違和感と不可解なシーンと現象を繰り返しながらも、スクリーンから不穏な気配が消えずにいる為に目を離させない。

前半のハイライト"あのシーンから発見の悲鳴、絶叫、発狂の一連"は言葉の表現として正しくないでしょうがお見事ですね。一気に作品の世界へ引き込ませる。

ネタバレさせてはいけないので、このあたりで。。
 
 
本作を観てあらためて思ったのは、一番怖いのものは目に見えぬ何かより家族の発狂・錯乱ですね。。

 

・この作品を劇場でレイトショーにて観客自分ひとりだけの状態でもし観たなら、やはりめちゃくちゃに怖いとは思います、。
 
 
 あれ、あれ、おかしいな、、
めっちゃ評価良いレピューになっている。。



"コッ"






"コッ"