rage30

ヘレディタリー/継承のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

前評判から、相当恐ろしい映画を予想していたのですが、個人的にはそこまで怖くはなかったかな。
右ストレートで1発KOする様な大味な恐怖はないけど、多彩なジャブで細かく恐怖を与えてTKOする様な、そんな感じの映画ですね。

一口で“恐怖”と言っても、いろんな種類の恐怖があるわけで、本作はそんな多種多様な恐怖を提示してきます。
気持ち悪さ、不安、緊張感、居た堪れなさ、罪の意識、不気味さ、不吉さ…。
あらゆる方向・角度から、襲ってくる数々の恐怖が、本作の「逃れる事が出来ない」という世界観を形作っているのでしょう。

また、そういった多様な恐怖を伝える上で、演出の多様さにも光るものを感じました。
チャーリーの生首みたいなゴア描写もあれば、幽霊と何かを見違える古典的なホラー演出もあるし、呪いの開始を印象付ける音の演出や、光を使った幻想的な演出もあったりと、このアイディア豊富な演出の数々も、本作の見所の1つ。

特に印象深かったのは、後半の「後ろに何かいる!」という場面を結構長く見せるところですね。
間を長く空ける事で、見てる人間に「ボヤけた遠景に見える“何か”に気付いているのは、私だけ!?」と不安にさせる、非常に大胆な演出でした。


総じて言えるのは、「ホラーとして云々以上に、映画として面白い!」という事でしょう。

本作が長編デビュー作となるアリ・アスター監督ですが、演出における的確な手腕や、豊富な参照元を誇る知識量など、1作目から類稀なる才能を発揮。
ホラーというジャンル以外でも、実力を発揮出来る監督だと思うので、これからの活躍が楽しみです。