オザキ

ヘレディタリー/継承のオザキのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
2.9
確かに怖いのですが…癖が強いですね😅起こる現象が複雑で、理解するのに時間を要します。単純に「キャー!」と叫ぶだけのホラーを求めている方はご注意下さい、他の作品をオススメします。

あらすじを一言で言うなら、「亡き祖母が関わっていた怪しい儀式が、娘や孫を巻き込んで継承される」といった話。

まずは、この映画の良い点から。主人公のアニー役を務めたトニ・コレットの演技には絶大なインパクトがありました…。優しい母親像から一転、狂気に駆られる瞬間には度肝を抜かれます。特に終盤、夫と口論するロングカットはあまりに鬼気迫るものがあり、むしろ夫に対して共感を覚えるという強烈な凄みのあるシーンです。


以下は、あくまで個人的な見方ですが、マイナス点です。

この「へレディタリー」という映画は、いわゆる「伏線回収型」のホラーで、前半にためた伏線を回収→恐怖爆発というシンプルな構造を持っています。難点は、前半部分が平坦でどうしても怖さが訪れるまで時間がかかる事です。同じ系統の映画に「ローズマリーの赤ちゃん」がありますが、個人的にはそちらをオススメします。

まず第一に、へレディタリーはとても難解です😅起きる現象の意味や目的が分かりずらいし、かなり脳みそを使わないと伏線を全て汲み取れません。儀式のルールも不明なので例え怖いことが起こっても、「これは一体何が起きてるんだ?何が目的なんだ?」という感覚が常に先行してしまいます。その点、「ローズマリーの赤ちゃん」はたった一つ”魔王の子供を誕生させる”という目的がハッキリしており、物語全体もそのゴールに向かって動くので、観客が流れを理解しやすく伏線がキッチリ効力を発揮するのです。

また、物語全体が説明口調気味だった点も気になりました…。(少々ネタバレします🙏)母親アニーが夢遊病を告白するシーン。「目が覚めると、自分と子供たちをシンナーでビチャビチャにし、片手にはライターを握っていた事がある」

「いや!それを映像化してよぉぉ!!絶対怖いやつやーん!!!(心の叫び)」

こんな感じで、ホラー映画にしてはかなり言葉を用いて過去の経験を語らせるのですが、個人的には少々勿体ない気がしなくもありません。


長々とレビュー失礼しました。あくまで個人的な感想です。ドンパチやってるホラーを常に求めてるせいもあり、好みには合いませんでした😓
オザキ

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