ぽち

ヘレディタリー/継承のぽちのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
3.7
よく練られた脚本、冴えた演出、迫真の演技でスマッシュヒットを記録したのも納得できる良作。

先の読めない展開と一見ご都合主義にも見えるストーリーだが、ラストできちんと決着を付け、その上バットエンドのくせに悪魔ペイモンのこの後の暗躍を知りたくなるような魅力的なオチ。

それにシャイニングのシェリー・デュヴァルを思わせるトニの迫真の演技でもう目が離せない。
ブサイクぶりが凄く魅力的だった妹役のミリー・シャピロ。もっと活躍して欲しかった。

個人的に一番怖かったのは、妹の死から次の朝までのシーケンス。
兄の大げさに取り乱すわけでもなく、ひたすら現実から目をそむけた行動に、壊れて行く精神の恐ろしさを見た。

この演出は普通の監督ではなかなか出来ないのではないだろうか。血がドバーとか首が無いとかより静かに心が壊れて行くほうが100倍怖いと思うのは私だけ?

低予算でも良作が作れるという良い見本だ。
ぽち

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