よねっきー

ヘレディタリー/継承のよねっきーのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.6
スタッフロールを見ながらラストの意味がジワジワとわかってきて恐ろしかった。俺はどっちかというとネタバラシの瞬間に「ウワー!!」と叫びたくなるくらいの映画が好きなんだけど、ネタバラシだけでは全部を掴みきれないのよね。ラストで「なんだったんだこれ?」と思って、最初からシーンを思い出そうとすると、最初のシーンこそ恐ろしいと気付く。ミニチュアの中から映画が始まる、その意味に気づいて震える。ゆっくり絶望システム。

画面の美しさ、全体的な不気味さ、トニ・コレットの顔芸が『シャイニング』を彷彿とさせます。あれも美しい顔芸ホラーでしたね。こっちのが100倍怖いけど。

怖いシーンをいちいちしっかり映さないのが良いね。「見間違いかな」「聞き間違いかな」で済まされちゃうくらいの映し方をする。タチが悪い。普段俺らがビビってるものは大抵見間違いか聞き間違いなんですから。ああ、またしばらく暗い部屋をダッシュで移動する日々だ。

当たり前にヤバいと普段思えているものが、ヤバいと思えなくなると1番ヤバい。その自然な描き方が大好き。アニーが儀式を始めた時、アニーが正しくてスティーブンが間違っているように思えるのだ。ピーターが屋根裏で追い詰められた時、「窓」だけが唯一の逃げ道に見えるのだ。
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