小一郎

サムライと愚か者-オリンパス事件の全貌-の小一郎のレビュー・感想・評価

3.5
公開初日鑑賞。初日に「忖度まんじゅう」をプレゼントするというようなことが告知されていた記憶があり「バラで1個とかだよな」と思っていたところ、<よりディープな忖度シーンに>対応できるとされる「黒忖度まんじゅう」の箱詰め9個入り税込み734円を、手提げ袋付きでいただくという…。もうね、忖度しないわけには(笑)

ということで、誰もが知っているであろう大企業オリンパスによる損失隠蔽事件を丁寧に説明しつつ、イギリス人社長等のインタビューを交えながら日本企業のガバナンスってやっぱヘンだよね、と指摘するドキュメンタリー。

この事件を知らなかった人、ちょっと知っているけれど良く知りたかった人、映画は好きでも企業の問題に縁遠い人などにとっては、ピタッとハマる作品ではないかと。

大企業の経営者たちって、こんなもんなの? と。保身を第一に考え、波風立てないよう“忖度”することに余念がなく、“忖度”できない人は差別し、排除する。

やっぱり日本企業って技術が凄くて、それで経済がもってるんだな、というようなこともなんとなく感じるかもしれない。

映画って将来にも残り、何かあると観直されるから、こういう作品が製作されること自体素晴らしく、意義と価値が大きいのではないかという気が…。まんじゅうも美味しかったし、ウン。

と、一応の義理を果たしたところで、個人的な感想はというと、映画としてはもうひとつかな。テレビ番組のニュース解説+αくらいな印象で、この事件は何だったのか、人間や社会はどういうもので、どうあるべきなのかという監督の世界観が伝わってこない。

本作の製作を主導したのは映画プロデューサーの奥山和由さんで、<奥山さん自身も、映画会社、松竹の専務を20年前に解任された経験があり、それが映画化の原動力になったという。>彼は本作を評価する一方、<もっと普遍的な問題がある。別の機会に私自身が編集してみたい>とも。
(https://dot.asahi.com/wa/2018051600076.html?page=1)

奥山編集バージョン、私が本作で不満に思った点が解消されていることは確実で、実現したら絶対観なきゃ。奥山バージョンを観るために本作まだな人も必見ですな、と最後にやっぱり忖度してしまうという、ああ日本人。

●物語(50%×3.0):1.50
・親切、丁寧な説明ではあるけれど…。

●演技、演出(30%×3.5):1.05
・イギリス人社長はもちろんだけど、オリンパス元役員氏のインタビューはグッド。

●画、音、音楽(20%×3.0):0.60
・まあ普通。

●お好み加点:+0.3
・忖度で…。