欧州におけるトランスジェンダーや障害者など、マイノリティーの人々の性生活を、虚実入り混ぜながら赤裸々に描いた衝撃作
「映画祭史上、最も議論を呼んだ問題作」
こんなキャッチコピーが使われていますが、確かに理解の範疇を超えてくる怪作だった
とはいえ、ベルリン国際映画祭の最高賞である金熊賞と最優秀新人賞をダブル受賞している作品にもかかわらず、海外レビューサイトのスコアもかなり低く、一体誰がそこまで評価しているのかわからない謎多き作品
もうファーストカットから気色悪い異様な作品である事はすぐにわかり、トリアーの『ニンフォマニアック』のようなテーマをマイノリティ視点で描いた作品なのかなと想像していたので、かなり面食らった
カウンセリングを通して身体障害者やLGBTの生々しい性生活を知り、強迫性障害を持つ主人公の心と身体も徐々に解放されていく
そんな主人公を体当たりで演じたローラ・ベンソンさんも素晴らしかった
基本的には真っ白な背景をバックに捉えた映像や計算された美しい構図はめちゃくちゃ綺麗なんですが、常時見てはいけないものを見てしまっている感覚で、人によっては不快になるようなシーンの連続
ドキュメンタリーとフィクションの狭間を行ったり来たりしながら監督自らもちょこちょこ出演しており、メタ的なシーンも多く実験的な作品のようですが、結局何が言いたいのか全然理解できないまま終わった…
2時間ちょっとしかないのに体感時間は3時間を超えるくらい異常にスローテンポなんだけど、この異様な雰囲気は不思議と嫌いになれないし、独特な音楽も癖になる感じ
次作もあるならこの超ディープな路線で行ってほしい
〈 Rotten Tomatoes 🍅59% 🍿33% 〉
〈 IMDb 5.9 / Metascore 65 / Letterboxd 2.9 〉
2021 自宅鑑賞 No.153 WOWOW