2004年に公開された日本版がかなり好きなので、15年後のリメイクとなる本作にはさほど期待していなかったのだが、オリジナルを大切にしつつ、韓国映画らしい要素を加えた好リメイクになっていて、これはこれで観る価値がある。
そもそも、死別や再会、記憶喪失という、恋愛映画の王道的要素は、もともと韓国映画が得意とするところで、日本版では幻想的な雰囲気で押し通した感があったところを、映像的なダイナミズムや、脚本上の伏線としてしっかり落とし込んでいるのがとても良い。
日本版を観たのがかなり昔で記憶が曖昧なのだが、この韓国版で追加、または演出が強化されているのは、深夜の映画デート、母と息子の絆、母を手放したくない息子の葛藤、夫の部活が陸上から水泳に変更、妻の人物像が男前、事故や災難の表現がより直接的に、そしてジャージャー麺(!)といったところか。
そもそもの日本版がオリジナルではなく、小説の映像化なので、そういう意味で日本版と韓国版は対等な立場と言えるはず。ふたつを横並びにして考えると、この韓国版の方が好きだ。海外で評価されるのもおそらくこっちだと思う。