中国を舞台にした三作品からなるオムニバスアニメ。人生と衣食住をテーマとする、切なくもあたたかい物語。
一篇目はビーフンの描写が美味しそうで素敵な飯テロ。
二篇目は凡庸な立ち直りストーリー。
三篇目は、O・ヘンリーのようなすれ違いのような互いを想う気持ちが感じ取られてキュンキュンする傑作。
第一作 陽だまりの朝食 3.3
北京で働く主人公は、大量生産されるビーフンを食べる。その時、ふと幼少期や学生時代のそれぞれの時代の出来事と、その時に食べたビーフンの味を思い出すのだった。
第二作 小さなファッションショー 2.4
広州に住むファッションモデルの主人公は妹と共に助け合いながら暮らしていた。しかし年をとり、モデルとしての行き詰まりを感じる中、妹と大喧嘩をしてしまう。
第三作 上海恋 4.6
上海に住む主人公は、幼なじみの女の子に淡い恋心を寄せていた。彼女が私立高校を受けて引っ越すという話を聞き、彼も家族を説得して一念発起、私立高校受験に挑む。
『秒速5センチメートル』に感銘を受けた李豪凌（リ・ハオリン）総監督による、日中合同制作アニメーション。
過去の想い出をめぐるノスタルジックなストーリー、そして『秒速…』の制作会社「コミックス・ウェーブ・フィル厶」が制作協力のため、非常に「新海誠監督作品っぽさ」を感じさせる作品となっていた。
本家ほどジメジメしておらず、どれも前向きな物語になっていたのが良かった。
