四木

詩季織々の四木のレビュー・感想・評価

詩季織々(2018年製作の映画)
4.9
短編映画3本立て。

最初の「陽だまりの朝食」がとっても飯テロ作品でした……!

夕飯で、おうどんでなんとなーくの再現をしてみました。作中ではビーフンですけれどね。
固形のコンソメを溶かしたスープに、おうどん突っ込んで、ごま油で炒めた諸々を乗っけて完成〜! たぶん本当の味はまったく違うのでしょうけれど……。

人物のえがき方が「君の名は。」っぽい〜、と感じるシーンがいくつかありました。調べてみたところ、本当にそのアニメーション制作スタジオが手がけた作品らしいです。
日本と中国のクリエイターのコラボ?


◆「陽だまりの朝食」
人生で何度も食べたビーフン。その思い出の味を中心に、主人公の人生を辿っていく物語。

お店によってビーフンの具材などは違うのですけれど、最初のところが本当に美味しそうです……!

もしかしたら、主人公の思い出補正がかかっているのかもしれないですけれどね。

自分の人生を語るとき、そこに添える思い出の味は何だろうなぁ……と考えつつ観ていました。


◆「小さなファッションショー」
周りからは成功しているように見える人だって、不安や悩みは多くあるのでしょうね。
モデルの姉と専門学生の妹。互いに大切だと想っているのに、すれ違ってしまうふたりの物語。

マネージャーの方のお名前が「スティーブ」で、大変失礼ながらちょっと意外でした。いえ、すてきなお名前だとおもいます。
中国の方ではないのでしょうか……?

あるいは、あれかな、あだ名というか……「この名で呼んでください」って中国では主張できるっぽいので、そういうのでしょうか? そのあたり、詳しくはないのですけれど……。

後輩ちゃんは自信があってとてもすてきですね。その力強さは、このせかいで生きていく上で必要なものなのでしょう。
数年後にきっと、同じような悩みにぶち当たるのでしょうけれど。そのとき、彼女のように支えてくれる人たちが周りにいるといいですね。

◆「上海恋」
過去と現在で、まったく違う風景になってしまったのですね、上海。
10代の頃と20代のいまが交差する物語。

過去と向き合い、ラジカセの前に座るシーンがとても良かったです。
どうしていまなのか……と多くの人はおもってしまうでしょうけれど、その時間が必要だったのでしょう、彼は。素直に生きるまでに、それだけの時間が必要だったのです。

本当は、だれだって自由に生きていいはず。いつだってやり直していいはずなのに……。
と、いつも考えます。けれど残念ながら、なかなか動けない小心者です。


◆ラスト(※微ネタバレ)


短編集の小説や漫画を読んだとき、ifのせかいでもいいから、別々の物語の登場人物たちが交流するシーンがあると嬉しくなります。
この映画では交流とまではいかないのですけれどね。すべて観た人は、つい微笑んでしまうようなラストでした。


Netflixにて
2021/12/06
(旧アカウントで記録した日)
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