motoietchika

詩季織々のmotoietchikaのレビュー・感想・評価

詩季織々(2018年製作の映画)
3.5
連作短編オムニバス。

『陽だまりの朝食』
ビーフンの食レポ(マジ)。しかし、それにしては調理過程の様子など絶妙に美味しそうじゃないのが気になってしまう。『言の葉の庭』での調理描写が卓抜していたことがわかる

『小さなファッションショー』
美人でモデルの姉、努力家の妹の話。これはあまり新海誠っぽくなくて良かった。けど、もうちょっとヒネりか深みが欲しい。キャラクターが表面的。

『上海恋』
実質、初期の新海誠の新作。「この新海誠が観たかった……」ってやつで、とても良かった。
カセットテープに吹き込んで交換ノートみたいにやりとりをするって意匠は「ほしのこえ」だし、切ないすれ違いのストーリーラインは「秒速」を明らかに意識してる。悪く言えば新海誠を研究しすぎてて目新しさがないんだけど、このなかでは普通に一番おもしろい話なので微妙な気持ち。

ただ映画全体としてのオーラスはちょっと無理があるぞ。
そこまでして纏めようとしなくていいだろ、とちょっと思う。
ただ見終えると雨上がりのようなすっきりした気分になれるところは好印象。またこういう企画やってほしいです。
motoietchika

motoietchika