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洗骨のlpのレビュー・感想・評価

洗骨(2018年製作の映画)
3.5
観た人たちの間での評判の良さを聞きつけて鑑賞。評判に違わず確かに良作だった!

「母親の死を契機とした家族の再生話」という題材は手垢の付いたもの。ただ、絶妙に挿入されるユーモアと、沖縄の地理・文化を活かしたシーンの力で、独創的な作品に仕上がった印象を受ける。「家族の再生」の先に「生と死」の繋がりを見据える脚本の練り込みも上々だ。
監督は照屋年之(ガレッジセールのゴリ)。兄妹が言い合うシーンで、厳格にカットを割って独特のリズムを産み出すなど、意外にも手慣れた手腕を披露している。そして本業が芸人だけあって、物語へ自然にユーモアを織り込むのが非常に巧い!

キャストも嵌まっていて、特に水崎綾女と大島蓉子の女優2人が素晴らしい。ただ、その中にあって鈴木Q太郎の芸人っぽさが残る存在感だけは、唯一ダメだった。

沖縄の離島を舞台に、「家族の絆」からその先にある「ファミリー・ツリー」までを真摯に描く良作でした。監督がガレッジセールのゴリと聞いて侮るなかれ。
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