AyuAyu15

洗骨のAyuAyu15のネタバレレビュー・内容・結末

洗骨(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

テーマがテーマなので仕方ないのかなとは思うけど、説明的な台詞が多くて興醒めることが何回もあった。もっと演出の仕方でなんとかならなかったのかな。洗骨とはどういうものかみたいなことを説明するのは仕方ないのかなと思うけど、それは観客が見て考えることだろ的なことを登場人物がこういう風に捉えてください的な台詞で喋るのはどうなのかなと感じた。映画なんだからもっと別の方法で表現して欲しかったな。絵の美しさとか俳優さんたちの演技とか台本とか。

すごくシリアスなのかなと思うと随所にコメディタッチな横槍が入るのだけど、そのセンスもビミョーだなぁと思ってみてた。みんないい奴みたいなことを言いたいのかなとか、シリアス過ぎないように笑いを入れたとかなんだろうけど。
コメディ入れるなら本編もなんていうか、もっとそれが活きる流れを作るべきだと感じたのだけど…見終わって字幕見てたら監督ゴリさんで吉本でしたか、しまった、それを頭に入れてから観るべきだったか、そうしたらもっと好意的に観られたかも?

とは言え、先ず辛口の感想を書いてしまったけれど、こういう自然とともに生活するとか、死や生がすぐ身近に隣り合わせにある生活とか、昔から憧れたなぁ〜。今も憧れる。
洗骨という沖縄の粟国島の風習がどういうものなのか映画としてアリアリと分かるのは本当に興味深くて観てよかった。
死んだ時と4年後の洗骨の時、この島では死者は2度も遺族に丁寧にお別れをしてもらえるんだなと思うと何だかいいなぁ〜と羨ましい。
命を大切にする文化だなぁと思う。
ただ、この映画みたいに生前愛されていた人なら2度のお別れがいいものになるけど、嫌われ者の場合はどうなるのかな?なんて思ったりもする。興味深い。

そしてお産は病気じゃないから私も助産院で産んだけど、懐かしいいい思い出だなぁ。最後、せっかくあんなに綺麗な海が目の前にあるんだから海の中で産むとか、せめて赤ちゃんの産湯が海、とかだったらもっと『私好み』だった…(私のためにある映画じゃないんだからねぇ私ったら)

こういう暮らしには憧れるけど簡単にこんな暮らしが出来るとも思っていなくて、だからたまたまこんなところが実家の人と結婚とか羨ましいなぁ〜なんて思ったり…それはそれで大変か。そんなこと言ったら何でも大変か。
だったらやっぱり、やっぱり、憧れるなぁ〜、こういう暮らし。

個人的に、ユーコが作った朝ごはんのなんか混ぜご飯みたいなの、あれ絶対食べてみたい。
それから、道端の山羊と、チャッチャッと鳴くヤモリが可愛かったです。
それと、綺麗な海で男達が網で魚を捕るところ。あんなことで力を合わせたら仲悪くてもいっぺんに打ち解けますわ。

つい泣いた場所は、その混ぜご飯みたいなのをお父さんが食べて泣くとこと、頭蓋骨を清めて抱くところと、赤ちゃんが産まれたところ。
泣きどころで泣けなくてガッカリしたのはお父さんが酔って怪我して医者に連れてってもらって帰る時の親子3人で医者の玄関でのやりとり。う〜ん、もう少し。
AyuAyu15

AyuAyu15