こやち

洗骨のこやちのレビュー・感想・評価

洗骨(2018年製作の映画)
3.6
海辺の生と死。

沖縄ではそういう風習があるって子供の頃何かで読んで、しかもお嫁さんが洗うんだって。絶対沖縄には嫁に行かない!って子供ごころに思った。戦後、いろんな事情でこの風習は途絶え、今、残っているのは離島のごく一部らしい。実際はやっぱりかなりシビアなもので特に実働は女性が担っていたらしい。そりゃ途絶えるでしょ。監督は敢えてソフトにしたのかな。

洗骨に向かう道でビビる店長さんに、叔母さんが「こんなもんなんだよ。あの世って!」とドヤしつける。そっか〜、繋がっている物なんだ。お母ちゃんが亡くなってから夢うつつの世界にいたお父ちゃんには必要な儀式だったんだね。奥田瑛二さんの情けない父親役はちょっと情けなさ過ぎだと思うけど。店長さんは…まあいい人でよかったね、と言うニイニイの言葉通り。ちょっと滑り気味なところも、このヘビィな状況においてはちょうどいいコメディリリーフ。
そしてMVPは信子叔母ちゃんの大島さん。見事な島の叔母ちゃんでした。

お店のおばちゃんのロングヘアが凄いなと思ったら、エンドロールの『童神』歌ってる古謝美佐子さんだったのね。

ラストの筒井道隆の語りは要らなかったと思う。
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