キャサリン子

パッドマン 5億人の女性を救った男のキャサリン子のレビュー・感想・評価

3.3
本作は、月経時に汚れた布を使う新妻を感染症の危機から救うため、たったひとりで清潔なナプキン作りに奔走したあげく、奇人変人ド変態の汚名を着せられ家族や肝心の妻から離縁されながらも懸命に庶民が買える安価なナプキン開発をした男のサクセスストーリー。

彼が素晴らしいのは、成功した後も富を独占するのではなく、仕事のない女性たちにナプキン製造・販売の仕事を与えたこと。啓蒙活動と新規事業のダブルの革命を行ったことである。
「私ひとり笑う、でなく、皆が笑う」そんな世の中を因襲社会で作り上げた。壁を打ち壊した。


ただ、現地の人の手のひら返しにはビックリ。
あれだけ恥だ、頭がおかしい、悪魔が乗り移ったと寄って集って貶していたのに、成功するとお祭り騒ぎ。
妻は妻で何だあれ。
散々「あなたのせいで恥をかいてる」だの「余計なことをするな」だのと夫を非難し、挙げ句の果てには憤激して迎えに来た兄に連れられあっさり実家に帰ったくせに、夫が名誉ある賞を受賞するやいなや電話かけてくるとか、どの面下げて言ってるんだよ。
おいおいそれは無いだろwwwと突っ込まずにはいられませんでした。
史実をもとに脚色してますって冒頭でテロップ出てたけど、脚色するなら妻は最初から夫を信じて味方でいる設定であって欲しかったです。
妻を含めて現地の人達が彼の執念のナプキン制作を目の当たりにしているうちにいつしか応援するようになっていって、最終的に賞を獲りました!って流れならお祭り騒ぎのシーンでも号泣したと思いますが、なんも知らないくせに結果だけ知って手のひら返して喜んでる人達を見て、急激に冷めました。
喜んで良いのは最初から応援してくれてた毛むくじゃらの友達だけだからな!


素晴らしい人であり、偉業を成し遂げたことは素直に感動したし最後のスピーチは目頭が熱くなりましたが、もやもやが残り過ぎたのでこのスコアとさせていただきます。
キャサリン子

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