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パッドマン 5億人の女性を救った男のnamのレビュー・感想・評価

4.4
「ただ1人の愛する女性を喜ばせたかった。まさに漢の鑑、真のヒーロー!」

これは完全なナーメテーター案件でした。
予告で観る限り、妻のために女性用ナプキンを作った男の話という事で「なにそれ?面白いのそれ?」と穿った見方をしていましたが、いやー感動した!これは男性にこそ観てほしい映画でした。

あらすじは愛する妻のために生理用ナプキンを作るというシンプルなものにも関わらず2時間半近い作品で、しっかり、見応えのあるヒューマンドラマに仕上がってます。

またこれは昔の話ではなく2002年頃とつい最近の話、しかし日本と違いインドでは生理用のナプキンの普及率はわずか12%で、ナプキンは売っていても高価で庶民には手が出せない状況でした。そしてさらには文化的な背景も重なり、インドは女性の生理はある種タブーな部分もあり、話題にも上げず誰もそこに踏み込もうともしませんでした。

そんな中、主人公であるラクシュミは奥さんが毎回汚い布で代用している事実を知り、衛生面からなんとか解決してあげようと奮闘する愛情に溢れた話であり、困難に立ち向かう1人の男性のサクセスストーリーとしても楽しめました。

ストーリーの構成が素晴らしいですね。
序盤でラクシュミがどれだけ優しいかというのを端的に表現し(奥さんのためなら何でも手作りしちゃう)、そこから生理用のナプキンを作ろうと一念発起するがそこには多くの障害があり、費用、技術、世間体、インドの文化的な側面までがラクシュミの障害となり一時はどん底にまで落ち果て、、

とても丁寧に描かれているのでラクシュミの目線でついつい感情移入してしまいます。一緒に悲しんで、悔しさを感じて、そして喜びを共有できるという構成が素晴らしい!

予告では「アメリカにはバットマン、スパイダーマンがいる、インドにはパッドマンがいる」という言葉がなんて安っぽいB級なキャッチコピーなんだよと馬鹿にしてましたが、劇中この言葉がかなりの説得力を持って心に刺さります!

終盤の演説シーンはでは「ラクシュミあんたこそ男の中の男で、真のヒーローだよ!」と賞賛の拍手を送りたくなります。実際劇場で拍手したい葛藤抑えるのに必死でした。

男性には1人の愛する女性のための姿勢を学んでほしいし、諦めない姿や前向きな姿は誰もが楽しめるサクセスムービーにもなっているのでオススメです!

インド映画で観た「きっと、うまくいく」「ダンガル」などの名作にも引けを取らない素晴らしい作品だと思います!もっと多くの方に観て欲しい作品でした!
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