ゆっけ

パッドマン 5億人の女性を救った男のゆっけのレビュー・感想・評価

4.5
失敗を重ねて何かを得る。起業家魂。かなり勉強になります。これが実話を元にした映画だなんて。。

失敗を繰り返しながらも、前に進んでいく姿。そして終盤の名スピーチ。とても感動しました。

インドの文化や宗教のことも知れる(世界史)、ビジネスのことも理解できる、そして保健の勉強にも。こんな良い教材はないと思うので、ぜひ中学、高校の学校の授業でみんなに観せて欲しい。

というか、とにかくみんな観て!と言いたくなるような映画でした。(去年観てたら確実にベスト10に入ってたなぁ。もう上映終了してしまう、、)

2001年って結構最近の話にも関わらず、インドでは生理用ナプキンの普及率は12%という低さ。「生理は不浄なものである」と考えられていたみたいです。(余談ですが、実は日本も1961年にアンネナプキンが生まれるまでは普及されていなかったみたい)

現在の日本でも、なんとなく「生理」を公で話すことは憚られています。保険の時も、男子、女子で別れますが、インドでは汚らわしいものとして、決して口外してはならないし、その間は人と会うことさえ許せません(夫でさえも)。「生理」は”恥”として、それを見せるなら、死んだほうがいいと考えるような文化だったのです。

その上、ナプキンが、55ルピー(日本円にして1,100円くらい)もしたんですよ。だから普及もしないし、多くの女性は不衛生な布を使っていました。

ヒンドゥー教という宗教の教えもあるので、理解はし難いものがあるのですが、そんなことよりも愛する妻が病気になって死んでしまうことの方が心配だということで、主人公のラクシュミは愛する人(妻)を守りたいという一心で、村の多くの人から頭がおかしいと思われようと、信念に従って動きます。自分でナプキンを作ろうと。当然、村中の人に非難され、最終的には村から追い出されます。

ラクシュミが、インドで生活していて「問題」と感じたことがたまたま、タブーとされていた「生理」のことでしたが、健康に笑顔で生きれるようにという願いがあってこその話で、他の問題があったらそちらに向けて、同じように行動していたと思います。

当たり前のこと、常識を疑って、目の前のことに誠実に立ち向かう。そんな一人の人間の生き方を教えてくれる素晴らしい映画でした。

最終的に、2ルピー(40円くらい?)で売るまでにするだけでなく、女性の自立支援につながるように、「マイクロ・クレジット」を進めます。

それらの功績に対し、2014年には米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたほか、インド政府からは2016年に、インドの国民栄誉賞に当たる褒章パドマシュリを授与されました。

でもあれだけ、非難していたのに、賞を取ったり、周りの意識が変わったら、ころっと変わる。アンチが最終的に応援者に変わる。なんかその辺の展開が急で、気持ちのいいものではなかったのでしたが、人の見方は、他の評判によって簡単に変わるものだなぁと考えさせられました。。。
(正直奥さんとのよりは戻せない気がするな)

ラクシュミさんの目標はインドで生理用品の普及率を100%にすることだそうです。お金よりも大切なこと。信念を持つこと。本当に素敵な映画と出会えてよかった!

ちなみに、アルナチャラム・ムルガナンタムさんのTedのスピーチはこちら。ユーモアあります。こちらもぜひ。
https://www.ted.com/talks/arunachalam_muruganantham_how_i_started_a_sanitary_napkin_revolution?language=ja
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