ケイ

パッドマン 5億人の女性を救った男のケイのレビュー・感想・評価

4.0
妻の困り事を様々な手製の発明品で解決してあげていたラクシュミ。妻が生理の際に汚れた布を使っていること、ナプキンは高価すぎて常用できないことを初めて知り、安価なナプキンを自作し始める。しかし、男性がナプキンに関わることを周囲からは嫌悪の目で見られ、肝心の妻からも理解してもらえない。ナプキン作り自体も難航し、行き詰まるが――。
日本においても生理に関するトピックはアンタッチャブルな扱いをされがちだけど、インドにおいては更にそれが極端で、21世紀にもなって生理中の女性は忌みもの扱いとか、ナプキン普及率が12%とか、衝撃的だった。そんな中で、ただ妻の身体を守りたい一心でこの問題に取り組むラクシュミに立ち塞がる障壁は厚く高い。アンタッチャブルな扱いだったからこそ、男性であるラクシュミはこのトピックをどう扱うべきか距離感がつかめておらず、家族を含む村中から白い目で見られてしまうのだ。
頑張れば頑張るほど、その熱意ゆえに大事な人が離れていく。発明が有識者に認められても、田舎の人々の感覚は変わらない。
ハッピーエンドの話ではあるけど、実話ベースということで、壮絶な体験を乗り越えてきた実在の“パッドマン”の人生を思うと、ただ「面白かった!」ではすまない感動が残る。
それにしても、笑いと苦しみ、華やかさとリアルさのバランスの良さ! 『きっと、うまくいく』もそうだったけど、インド映画のこのバランス感覚はほんとに凄い。そして、パリー役のソナム・カプールも妻のガヤトリ役のラーディカー・アープテーも美しくて、やっぱりインド映画は凄い…と思った。
ケイ

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