みほみほ

パッドマン 5億人の女性を救った男のみほみほのレビュー・感想・評価

4.2
🇮🇳2020年302本目🇮🇳

インドという国がこのような映画を作るからこその、重みがあった。インドにこういう目線がある事が素直に嬉しくて、冒頭から目頭じわじわしてた。根強い信仰や昔からの習わしに、人としての尊厳ある生活がどれだけ殺されているのだろう…とインド社会に恐怖を覚えた。(明るくて華やかで良いイメージもあるんだけどね🌠)


ナプキンを作ろうという発想は、妻を愛するからこそ生まれた執念の思いだが… 冷静に考えると、インドという国でナプキンが理解されないのも無理がない。日本で言うと、昭和初期の男女のような男尊女卑にも近い空気がある中で、昔からの習わしや崇拝が日本以上にあって、そんな村でいきなりナプキン作り出したら、確かに気が狂ったと思われても仕方ない気はする。

村の人から罵声を浴びせられたり、好奇の目で見られてたり、妻や家族を失って…しまいには村人に囲まれて罰を受けそうになったり…
それでも…妻を、インド中の女性を、救うと信じて突き進む主人公の姿に、見ているこちらまで熱が伝わってくる。

生理があるから皆生まれてこれたのに、生理中の女性を穢れ呼ばわりし、5日間外で過ごさせるようなインドの風習にまず心折れそうになった。無知とは何たる怖さなのか…。

そんな事に「おかしい!」と言えた彼の感覚は、インドの宝だと思う。

この作品、昔気質のズブズブなインド人が観たら、どんな感情を抱くのだろう??

インドの怖い部分もニュースで見たりするけど、映画界を見ていると、そんなインド社会に斬り込んだ作品が増えてきているので、少しは柔軟な考えな人が増えてきている証拠なのかな?


公開当初から観たかった作品なので、NETFLIXに感謝。ダウンロードしておいて、いきなり曲から始まる冒頭に乗り切れずに、なかなか観ないでいたんだけど…なんか今日は冒頭の曲が楽しく聞こえて、その勢いで観てみたら、あっという間にグッと来て、見入ってました。この作品は歌は冒頭以外は控えめで静かなものが多かった気がした。


女性の恥という意識が根強く残るインドで、それはおかしい!と声を上げて、行動して、たくさんの人を救う事が出来たパッドマンの勇気に拍手。どれだけ凄い事なのか…と考えていたら、ラスト目頭焼けるかと思った。

爽快過ぎる村人の、華麗な手のひら返しをご堪能あれ!!


最後に感動した映画内の言葉を書いておきます。

『アメリカにはスーパーマン バットマン スパイダーマン …インドにはパッドマン!!』
みほみほ

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