いずぼぺ

グッド・ヴァイブレーションズのいずぼぺのレビュー・感想・評価

3.6
I saw the light!
あの爆弾横丁で?!

1970年代北アイルランドは紛争の真っ只中。
問題が複雑過ぎて、当事者である住民たちもそもそも何が問題なのかわからなくなってた人もいるんじゃないかな。
おそらく主人公テリーもそんなひとり。
音楽好きが高じてレコード屋からレーベル主催、イベンターまで手をのばす。
一個人としてはこういうオヤジが文化の裾野を作ってくんだよなと羨ましさすら感じる生き方であるが、あそこまで振り切れないし家族だったらえー加減にせぇよ!になるかな…。
パンクはほとんど触れてこなかったので、ちょっと新鮮。作中に出てくる曲や歌詞は今にして聴けばキャッチーでストレートに伝わる。世界観は日本のフォークソングみたい。
ずっとバンクは青臭いと思ってた。でもその派生したバックグラウンドを今回垣間見て、少し考え方が変わった。青臭いんじゃなくて、幸せの選択肢が少なすぎる世界での「とにかく俺たち生きてんだ!」って叫びだったんだ。遠い幸せも遠い不安も見えない程の閉塞感が生んだ音なのかもしれない。

パンクが世の中に与えたもの
ニューヨークには新しい髪型
ロンドンには新しいファッション
ベルファストには生きる理由
107