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ペンギン・ハイウェイのkazuuuのレビュー・感想・評価

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)
3.8
「なあ、男って、なんでおっぱいに惹かれると思う?」

大学時代、仲のいい友人が、講義の合間にふと漏らした言葉。
友人曰く、ただの二つの脂肪の塊に、なぜ男は魅力を感じるのかと、疑問に思ったらしい。

「赤ちゃんのころに吸ってたから、母性を思い出して安心するんじゃない?知らんけど」

「でも母性を求めるなら、母親のおっぱいには惹かれるはずだろう?実際はそんなことはない。なんでなんだろうな・・」

ここから、休み時間を使いきり、私と友人は真剣に哲学的おっぱい談義を繰り広げた…


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「お姉さんのおっぱいは、母のおっぱいとは違うと感じる。同じ物体なのに、僕という人間に与える印象が、なぜこんなにも違うのだろうか」

本作の主人公である、アオヤマ君のセリフである。私はこのセリフを聞いて、先ほどの友人とのおっぱいに関する会話を思い出した。そして、最近忘れていた、疑問を持つことの楽しさを思い出した。
なぜだろう?という問いから生まれた友人とのおっぱい談義は、私にとってとても楽しかったのである。

社会人になって三年目に突入しようという私は、身の回りのことに疑問を持たなくなってきたという自覚がある。
具体的にいうと、入社時に抱いていた会社のルールや上の方針に対する疑問が、時を経て気にならなくなってきたのだ。
疑問に思ってもやるしかないので、もはや思考停止した方が楽だと思って、日々仕事をしている。社畜サラリーマンの出来上がり、である。

しかし、この作品のアオヤマ君のように、「なぜだろう?」と疑問を持って世界を眺める方が、楽しいしワクワクすると思う。というか、そうやって私は生きていたい。
自分の心から生まれた疑問の声を大切に、また明日から頑張っていこうと思う。

ペンギンハイウェイは、子供時代のワクワク感と大学時代の哲学する楽しさを思い出させてくれた。
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私達は、人目をはばからず語り合った。
「散々話し合ったが、結局わからないね」

「考えれば考えるだけわからなくなるな。まるで深く柔らかい谷間に沈み込んでいくようだ。」

「まあ、今日の結論は…」

「「おっぱいは正義」」
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