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フード・インクのterusukのレビュー・感想・評価

フード・インク(2008年製作の映画)
3.5
産地偽装等の食の安全が問題視されて暫く時間が経った。

今ではあまり同じような問題が取り沙汰されることもなくなっているが、本当に安全は担保されているのか。
小さな子供が犠牲になることは本当にないのか。

アメリカの食品の問題は資本主義の本来持っている機能と絡まって、深刻な危険を孕んでいる。

効率化、合理化が進化すると、安全性は軽視される。
牛に与えられる飼料は、本来なら牧草が与えられるべきだが、効率化のためにコーンが与えられる。
しかし、コーンで育った牛は本来の牧草で育った牛に比べると抗生物質が与えられており、O157を持っているのだ。
これが、子供に与えられ、死亡する事故が起こる。

コーンには政府から助成金が出ており生産者にとってはこれを作るしか方法が無い。

問題なのは、政府を始めとした管理監督機関が機能していない事で企業の奴隷に過ぎないのだ。

死んだ、糞だらけの肉も加工されて出荷される。
それはアンモニアでの消毒がされ、添加物などでごまかしている。

これらは安く提供され、下層階級の白人や有色人種に与えられる。
彼らは糖尿に悩まされている。

政治、産業、資本主義。
行き着いた先の闇を垣間見る作品だ。
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