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縄文にハマる人々の小のレビュー・感想・評価

縄文にハマる人々(2018年製作の映画)
4.0
縄文時代のアレコレにハマるちょっとマニアックな人々を紹介するドキュメンタリーかと思ったら、監督がそういう人を取材していくうちに自身がハマってしまうという話。監督と一緒になって縄文ってこうなの? ああなの? と考えていくうちに、現代ってどうなの?みたいな気持ちになる。

何でハマるのかといえば「縄文時代って、なんか良くね?」という気がするからだろう。縄文時代って1万3000年くらい続いたのかな? 弥生時代から現代までが3000年くらいだから圧倒的に長く、平和な時代だった、みたいな感じ。

縄目の土器は道具としての機能以上の意味を感じずにはいられない超個性的なものだし、土偶も魅力的な造形で、アレコレ想像するのが楽しい。教科書には出てこないけれど、男性のナニそのものの形をしたものもあり、昔も変わらないなと思い微笑ましい。

映画の中に出ていたことだと思うけれど、現代は「自分が世界の中心」で、縄文は「世界の中の自分」という気がしてくる。縄文時代の自分とは自然の中の一部であり、その中で自分という存在を確認するために、生命としての土器や土偶を作るという感じ。

農耕が盛んになり、所有の概念ができた弥生時代以降は、身分の違いみたいなものが生まれ、それによって他者と区別し、自分を確認できるようになったから、土器がスッキリと機能面重視になったと考えられなくもない。

いずれにしても誰にも証明できないのだから、妄想し放題。あんまり人に言いすぎるとちょっとアブナイ人に見られるかもだけれど、平和に共存していた時代が最も長かったと聞くと戦争のない世界って不可能ではないんだねと、ちょっと気持ちが良くなり、縄文のことをもっと詳しく知りたくなる、という感じだったかな。

●物語(50%×4.0):2.00
・ハマりたくなる。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・ハマった人のキャラ濃いめ。

●画、音、音楽(20%×4.0):0.80
・土偶の映像楽しい。音楽もまずまず良かったかな。
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