木葉

追想の木葉のレビュー・感想・評価

追想(2018年製作の映画)
3.7
イアンマキューアンの初夜 を8年前ぐらいに読み、何年も前から映画化されることを知った時から、ずっと楽しみにしていた本作。
つぐない、アムステルダムのイアンマキューアンが自ら脚本も手がけ、原作には収められてない二人の行末も描かれていた。
1962年の封建的なイギリス、結婚式を挙げ、初夜を乗り越えようとする二人の運命を克明かつ繊細に描き出す。
原作では初夜を迎え、愛し合っていたはずなのに、性に対する未熟さ、若すぎる故の過ち、ちょっとしたボタンのかけ違いで、たった6時間で結婚生活を終わらせてしまう。
二人の家柄、生活、表情、行動、感情を通して、初夜に至るまでを緻密過ぎる程に鮮明に大胆に映し出していて、夫婦役のシアーシャローナンとビリーハウルの熱演も素晴らしく、好ましいくらいに純情うぶで魅力的なのだ。優美で幸せなはずの初夜が若過ぎる故のちょっとした失言、失態で運命を決定的に変えてしまうとは。二人のすれ違いが残酷過ぎて、切な過ぎて、悲しい。
小説は繊細緻密過ぎたが、初夜の一部始終、回想、二人の馴れ初めを映像にするのは難しかったか。
しかし後半、一気に感情の波が押し寄せ、ただただ、切な過ぎて不覚にも泣いてしまった。
シアーシャローナンは性に翻弄される女性の役が旨すぎる。
映像、主演の二人があまりにも美し過ぎた。
木葉

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