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追想のncccoのレビュー・感想・評価

追想(2018年製作の映画)
3.1
シアーシャがハマり役。
良家の子女らしく、終始可憐なワンピース姿が似合ってて超かわいい。

ハネムーンでのディナー後ギクシャクしながら初夜を迎える新郎新婦の姿を、今までの回想を挟みながらじりじりと焦らして焦らして描写。さんざじらされた挙句最後にこういう展開なの!?とちょっとびっくりして終わったんだけどまさにそこが主題だったのね。原作はそのまんま「初夜」という題らしいです。

好きだからこそ、若いからこそ、上手くいかずすれ違う気持ち。
一回のすれ違いだけで、決定的にダメになってしまう関係。
これは、時代関係なく今でもあることだと思うし、私も昔こんなんだったなーと、思って懐かしく見ました。

客観的に見れば、「もうちょっと落ち着いて、時間かけて待ってあげればよかったんでは」という感じで、実際ストーリーはエドワードがその後悔を抱きながら生きていく姿を映していくのですが、まぁ、若いときは無理だよねぇ。ましてや全てを掛けて、いろんなもの我慢して我慢してやっと辿り着いたあとだったし、ただでさえ失敗してプライドズタズタだったんだから。
女も、一回してしまえば「こんなもんか」となるんだけど、するまではそうもいかないからもう大変。男の生理が良くわかってないのも理解できないのも若さゆえんですね。もう見てて、どっちにも共感できたからすごい切なくて、しょっぱかった。

数年後に娘をみたときのエドワードの顔ね。
「ヤッてるやないか、、!」

でも、フローレンスだって半分諦めかヤケになってかで結婚したであろう男との行為のあとで、「ああ、この程度のことだったんだ。あのとき私がもっと大人で、許してあげられていたら」って、思ったに違いないのです。

少々ララランドを彷彿とさせる「たられば」を想い返すラストシーンでの遠景ショットが素晴らしかった。立ち去るフローレンスを追いながらカメラはずっとずっと引き続けてエドワードとフローレンスを枠内に収め続ける。けど、そのうちフローレンスがカメラアウトする。。
あの時追いかけていたら、許せていたら、、
切ない後悔を抱えながら、戻らない時を想う。
美しい思い出は美しさを増すばかり、寄せては引いていく波のようにチェシルビーチのあのひと時にいつでも心がかえっていく、、
美しく、せつないものがたりでした。

それにしても、エドワード役のビリー・ハウルは超期待の逸材では!?
エディ・レッドマインみたいだけどどこかユアン・マクレガーも彷彿とさせて。垢抜けなさと少年と大人のはざまみたいなアンニュイなセクシーさが最高。シアーシャとも超お似合いだし、この二人プライベートでも仲良くなってくれたらいいな~なんて本気で思っています。
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