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嵐電のメルのレビュー・感想・評価

嵐電(2019年製作の映画)
3.3
昨年京都の嵐山駅近くに福田美術館という日本画を数多く所蔵する美術館がオープンし、それに合わせて京福電鉄とコラボして「嵐電 Museum Train 走る美術館」が期間限定で運行された。
福田美術館への興味もさることながら、私は京紫色の車体に伊藤若冲、上村松園、俵屋宗達、葛飾北斎、竹久夢二の絵が所狭しとプリントされた「走る美術館」を一目見たくて京都に出かけた。

嵐電(らんでん)は四条大宮から嵐山までの嵐山本線と北野白梅町から帷子ノ辻(かたびらのつじ)を結ぶ北野線から成っていて、北野線には世界遺産の仁和寺の駅もあるので、今年の仁和寺観音堂の特別公開の時には電車の天井から千手観音の手があちこちぶら下がっている(ホラーチックな)観音電車というのも走ってました。

映画の方は嵐電に絡む3つのオムニバスとなっていて、ストーリーにはちょっと付いて行けない所が多々有りましたが、大西礼芳さんは中々存在感のある女優さんでした。
ストーリーは別として(しつこい?)あの京紫色の1両編成の電車が街中をトコトコ走っているのを見るだけで心和む…というのが正直な感想。

あがた森魚さんの歌声が作品に似合ってました、あがたさんお元気そうで何よりです。
作中、江ノ電が走ってましたが江ノ電と嵐電は姉妹提携しているんですね。なので鎌倉の街をあの京紫色の電車が走ることもあるそうです。

嵐山本線なので「アラデン?」と言いかけた私に「らんでんやで〜〜!」と教えてくれたのは旅先で出会ったお爺ちゃんでした。

目的の福田美術館はモダンでありながら京都にしっくり馴染む素敵な美術館で、2階の全面ガラス張りのカフェからは水を張った中庭越しに渡月橋が見渡せ、下を流れる川面がキラキラ光って最高のスポットでした。
嵐山観光の際はどうぞ出かけてみて下さい。笑
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