砂場

嵐電の砂場のレビュー・感想・評価

嵐電(2019年製作の映画)
4.0
ノンフィクション作家とその妻の話、女子高生と鉄オタ高校男子の話、そしてなんと言っても弁当屋の嘉子とミニシアター系俳優の話、それぞれお互いを思いやるんだけどなかなかうまくいかない。

冒頭の静止ショットから引き込まれる、京都の小さな駅のようだ。行き違い駅と書いてあって、これは単線がすれ違うようになっている駅のこと。
なるほど、この映画全体が男女の行き違いを描いているんだな、、、、

京都の嵐電が神奈川の江ノ電と提携しているとは思わなかった。タイトル通り本作は嵐電が主役のようなもんで登場人物のセリフに電車の音が被ったりして聞き取りにくいことも厭わず電車の方が主役なのだ。
考えてみれば外から電車の窓を夜見ると映画のフィルムのコマのようにも見えるよな。そのコマにおさめられた3組の男女。

超時空ぶりは大林宣彦に通じるものがある

弁当屋の嘉子とミニシアター系俳優の淡い恋愛は嵐電の不思議なジンクスによりなかなか前に進まない。コミュ障っぽい嘉子と茫洋とした俳優、二人はなかなかお似合いであり見ていてうまくいって欲しいなあと思っていた。
ラストは最終電車は行ってしまったあと、キツネとタヌキの乗る特別列車が来るようである、これに乗ると二人は引き裂かれるかもしれない。
しかも駅は行き違い駅である。
さあ、二人はどうするのか、、、
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