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私の人生なのにのnatsuのレビュー・感想・評価

私の人生なのに(2018年製作の映画)
3.8
すごい、すごい。何がって?
わたしがね!(笑)

この映画でも言っていた。「人生は失うことだ」って!
先日「四月の永い夢」を見た。そこでも同じことを言っていて、共感したばかり。わたしが、そういう映画を、そういう言葉を、引き寄せているんだろうと思う。この引き寄せの現象に自分で感嘆してしまう。

この映画の彼女は若い。まだハタチくらい。この歳で、はやくも辛い経験をしてしまう。将来を期待された、体育大学に通う新体操選手。病気で下半身付随となり、車椅子生活に…。(実は、5〜10分くらい映画に遅刻してしまい、到着した時には、病名を告知される所でした…。病気なのか、事故なのかよくわからんままだったけど、そのまま映画に釘付けに)

主人公にその言葉をかけてくれる車椅子仲間が、根岸季枝さんだったんだけど。根岸さんやっぱり存在感ある。説得力あるね。

かと言って、この映画、重苦しさ満載の、よくある障がい者の泣ける映画じゃないんだよー。こんな映画のつくり方、とっても素敵だと思った。

知英さんのことほとんど知らなかったの。元CARAなんですね。チエイさん??って思ってたら、ジヨンさんと読むのでした。通訳なしで日本人役や女優業やれる唯一の韓国人さんだとか。彼女もすごい。全然違和感ないし、とっても自然。よかった。これからもっと活躍しそう。見たい。


身体不自由になってしまったら?
あの大学の先輩が言うように、一般的には否認→混乱→努力→受容 みたいな過程を通るのだろうとは思う。
でも、彼には足りないのだ。正直20やそこらの若者なんてこんなもんなんだろうなって思う。リハビリも専門的に勉強しているからこそ頭でっかちになってしまう部分、思い込みが大きい。自分が彼女にとっての適役だって思うのかな。もちろん、もともと好きの対象だったんだろうけれど、丁度いいモデルがここにいたって無意識に思ってしまうのかも。
だけどね、人間なんてテキストのようにはいかないんだから。相手の奥にある心に、揺らぎに気づいてあげられないと。。

逆を行くのが、じゅんちゃんの存在。突然現れて、ウザいくらいに言って、歌うことを勧める。「だって楽しかっただろ?」の言葉。
ただのアホなんかと思いそうになるけれど、彼もまた、「失う」を経験していた。そして歌うことに救われていたんだと思う。全くそう思わせないような飄々とした態度で接してくるけれど。
じゅんちゃんを演じてた俳優さんも、とってもよかった。不思議ちゃんなんだけど、どうにか生きること、への熱意が漂っていて。知らない俳優さんだからこそマルだったと思う。稲葉友さん。

歌うってすばらしい。
2人が歌うシーンに、羨ましくて仕方なかった。
わたし、なんでギター弾けないんだろう、歌が大好きなのに、続けなかったんだろう、歌わなかったんだろう?って思っちゃった。
わたしの人生なのに。。後悔が残るわw
じゅんちゃんみたいな人いたらよかった。ほんとに貴重な存在。

2018.7
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